おこさま人生相談室 第15回-小林エリカ

おとなのお悩み

うちの子は、勉強が嫌いで、宿題もギリギリまでやろうとしません。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、ケンタさん(5歳)です。
ケンタさん、会うなり早速、得意のあやとりの技をたくさん披露してくれました。富士山、二段梯子、三段梯子、アメンボ、トンネル、山のてっぺんのお月さま、アゲハチョウ、蟹、ダイヤモンド、亀の子、輪ゴム、飛行機、甲、ネクタイ、引網、テレビ、ヨーヨー。保育園にあった本を見て、「親指から小指とか目指してやってたらできるようになった」のだそう。
スケボーにも乗れます。

おこさま紹介

お名前: ケンタさん
年齢: 5歳
生まれた場所: 東京
住んでいる場所: 日本
好きな食べ物: ガリガリ君(コーラ味)
嫌いな食べ物: パプリカ
これまでの人生で楽しかったこと: あやとり
これまでの人生で哀しかったこと: おこられたの
得意なこと: あやとり
苦手なこと: ない
好きなこと: テレビみる(ウルトラマンマックス)
将来の夢: ウルトラマンマックス

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
朝から晩まで元気いっぱい。頭の回転がとても早く、あやとりやカード・ゲームで周りの大人を驚かせます。絵、折り紙、工作等、物を作る事が大好きな心の優しい男の子です。(ケンタさんの親友、柏瀬裕一さん(40才)より)

(ケンタさん、以下K)

さて、今回のおとなのお悩みは?

Q うちの娘(8歳)は勉強が嫌いで、宿題もギリギリまでやろうとしません。勉強が好きになってもらうには、どうしたらいいですか?
(mameshibaさん 36歳 東京都在住)

K  ……。

(ケンタさんのお父さんが小声で:ケンタも文字の勉強するのヤダ、テレビみたいっていうときあるじゃん、どうやったらテレビやめて勉強してもいいかなっておもえるの?)

K  パパは聞かなくていい。

(ケンタさんのお父さん耳をふさぐ)

K  あの、まず、めんどくさいっていってたら、すぐおわるよ、っていったらいい。

──すぐおわるとわかれば、めんどくさくならないということですね?ところで、すぐおわると、いいことがあるのでしょうか?

K  うん。はんたいのことやってて、もしべんきょうしてたら、やりたいこといつでもできる。なんでも。

──めんどくさがらずに、まず勉強や宿題をすぐにおわらせてしまえば、やりたいことをなんでもいつでもできるようになる、ということですね。

K  あの、もじ(の勉強)をさいごにやったら、もう一回あそびたいってなっちゃうかもしれないから、さいしょにやるほうがいい。

──確かに。最初にやっておけば、勉強をしたあとにももう一度遊べますね。

K  そう。

──ところで、ケンタさんは勉強が好きですか?

K  ウルトラマンの勉強なら好き!(おもむろに「ウルトラマン大図鑑デラックス」を開く)

──ウルトラマンの勉強。

K  あの、それか、プリキュアか、なんでもいい。

──ところで、ウルトラマンの勉強はどうして好きなのでしょうか?

K  戦うのもカッコイイし、守ってくれるし、大きいから。

──なるほど。戦うのもカッコよくて、守ってくれて、大きいものの勉強なら、好き。ということはつまり、文字の勉強や宿題も、そういうものになれば、好きになれそうですね。

K  (一生懸命に図鑑を捲り、絵を描く)

──ちなみに、そうして好きなものだけ勉強していればよいのでしょうか?

K  いいよ。


ケンタさんによる処方箋画 サイバーゴモラとウルトラマンマックス
mameshibaさん、いかがでしたか?
まず、めんどくさいっていってたら、すぐおわるよ、と言ってあげたらいいそうです。
あとは、やっぱり好きなものの勉強というのが一番ですね。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。


ウルトラマンの勉強なら好き!

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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネームと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。他の著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1〜3巻(リトルモア)など。