谷川俊太郎の幻の絵本が、川島小鳥の写真で再構成!

「なぜ にんげんは、なにかを うつくしいと おもうんだろう?」

心に響く言葉を紡ぎ続けてきた、谷川俊太郎。1983年に刊行され、入手困難となっていたことから“幻の絵本”とも呼ばれた作品『うつくしい!』が、写真家・川島小鳥の写真で新たに再構成され、復刊された。

本書は、谷川俊太郎が綴った言葉はそのままに、写真を一新。『おやすみ神たち』(ナナロク社)でも谷川と共作した川島小鳥が、コロナ禍の日常を中心に撮影したみずみずしい写真を重ね、この世界に息づくさまざまな「美しさ」を映し出している。

もともとは1983年、「ブリタニカ絵本館ピコモス」シリーズの全25巻セットシリーズの最終巻として誕生した作品。当時、シリーズ監修も務めた谷川俊太郎は、「ものを知るってことには、本来感動がある」と考え、子どもたちに世界を新しい視点で見つめる喜びを届けたいという思いを込め、制作したという。絵本というメディアの可能性を信じてとりくんだ、壮大なシリーズの中の集大成とも呼べる最終巻で、谷川が一所懸命に取り組んだ作品が、この『うつくしい!』という作品だったと言われている。

40年以上の時を経ても、その言葉は色あせることなく、「美しさ」とは特別なものではなく、身近な世界の中に宿っていることを静かに教えてくれる。花や空だけではなく、日常の何気ない瞬間、そして「美しさ」の本質にも目を向けるきっかけを与えてくれる一冊だ。対象は小学校中学年から。ぜひ、夏休みの読書にもおすすめしたい。

『うつくしい!』
文・谷川俊太郎
写真・川島小鳥
偕成社/¥1,980

Text: Miki Suka