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DATE 2019.12.06

第42回:salvia デザイナー セキユリヲより
「好き」をみつける教室通い。彼女のペースで行けたらそれでいい。

女性は子どもを産むとみんな「はは」になる。当たり前のことだけど、みんなそれをどう受け入れ、日常を送り、自分の生き方を新たに手にするのでしょうか。この連載では、クリエイターとして活躍する二人の「はは」に手紙をやりとりしていただきます。それぞれの悩みや愚痴、ときに葛藤、あるいは日々の喜びから、あなたや私の「はは」としての生き方のヒントがみつかるかもしれません。2月からは、人気絵本作家であるtupera tuperaの中川敦子さんとサルビアを主宰するデザイナーのセキユリヲさんによる往復書簡をお届けします。

セキユリヲさんから中川敦子さんへ。

 

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中川敦子さま

 

師走ですね。ますます忙しくお過ごしのことと思います。クリスマスにそれほど強い思い入れはないものの、キラキラと輝くイルミネーションや、きれいに飾りつけされたショーウィンドウを見ると心華やぎます。我が家は娘がサンタさんのことをわかるようになって3年目なんです。おととしはお医者さんセットを、去年は絵の具セットを届けてもらいました。今年は息子もサンタさんの存在に気がつくかな。何がプレゼントされるかなー。

 

ちょうど10年前に住んでいたスウェーデンはクリスマスの本場で、とても素敵な季節でした。この時期になると週末ごとに街角でクリスマスマーケットが開かれたり、ルシア祭というおごそかな早朝の儀式があったり、ジンジャークッキーや手作りのキャンドルをつくる小さな会があったり、本物の大きなもみの木にクリスマスの飾りを飾ったり、クリスマスイブにはサーモンやスパイスを使った特別なごちそうをいただいてパーティーを開いたり。クリスマス用のインテリアファブリックがそれぞれの家に用意されていて、壁掛けやラグ、クッションのテキスタイルが一斉にあたたかな色合いに模様替えされるのも印象的でした。昔ながらの伝統が受け継がれ、クリスマスという文化がそれぞれの家庭にどんなに大切にされているかを実感させてもらえたこと、強く心に残っています。

 

その時のことを思い出していたら、日本のお正月の良さを子どもたちにも伝えていきたいなあという気持ちになってきました。年末年始は忙しくてあまり凝ったことはできないけれど、お正月飾りとか、おせち料理とか、年賀状とか、お餅つきとか、ひとつひとつに意味があって、新しい年を気持ちよく迎えるために昔から続いていることなんだよ、ということがわかってもらえるといい。私の実家では、おじいちゃんを中心に、12月30日になるとお餅つきをして鏡餅を神様にお供えしていました。神棚や床の間、台所やお手洗いなど、どんなところにも神様がいてわたしたちを守ってくれているから、鏡餅をお供えするんだよと教えてもらった記憶があります。渋谷のような大きな街に住んでいるとハロウィンやらクリスマスで子どもたちと一緒に浮かれて(笑)しまうのですが、日本人ならお正月文化を大事にしないと! なんて。

息子さんのラグビー熱、いい! チームに入って、気の合う監督や仲間に出会えるとよいね。ラグビーのルールって結構複雑なところもあるのにすぐ覚えちゃうなんて、心から好きで面白いんだろうね。体験の様子を教えてもらうの、楽しみにしています。

 

我が家も日々忙しいし、まだ特に必要ないかなあと思って、習い事は何もしていなかったんだけど、少し前に娘が「子どものための演劇教室」の体験に行ったんです。子役を目指す、なんて気持ちは全然ないのよ(笑)! でも演じる・表現するって面白いし、「いつでもどこでもステージ!」なうちの子は今、特に好きそうだなあとずっと思っていたところ、自転車で行ける距離で、小さな劇団が主催する個性的な教室を発見。体験の内容は歌やリズムに合わせた体操などのほか、劇団の方による絵本の読み聞かせは特に迫力があって、楽しそうに参加していました。はまってくれるといいなぁと思って見ていたのですが、すでに通っている「デキる」子たちにほんの少し劣等感というか疎外感のような気持ちを感じたのかな、「来週も来る?」と聞いても「来ない」と言っていたのです(人見知りなどは全くないのだけど、あまのじゃくなところがあります)。が、数日前に「あの教室また行きたい」と言っていたので、今週末にでもまた行ってみようかなと考えています。時々通うのもOKな教室なので、彼女のペースで行けたらいいのでしょうね。

 

息子は水に入るのが大好きだから水泳をやるといいんじゃないかなあ、とか、音楽や踊りが大好きだからそのうち太鼓でも習ったらどうかなあ、とか、家族で彼の可能性を話すのはとてもいい時間なんです。成長はゆっくりめだけど、いつもニコニコ人懐こく、人の輪の中に入って行く子に育っています。どんどん表現も豊かになってきて、まだおしゃべりはできなくても、よく知っている人には自分の気持ちを伝えられるようにもなってきているのがうれしい。少し下の歳の男の子とはウーウー唸りながら、よくやり合って力試しをしていますね。いろいろな経験をして、たくさんの「好き」に出会えたらいいなあと思います。

 

ではまたね。

 

セキユリヲ

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次回更新は12/20(金)の予定です。絵本作家tupera tuperaの中川敦子さんからのお返事です。