おこさま人生相談室 第29回-小林エリカ

おとなのお悩み

田舎暮らしに憧れるが、主人は東京を離れたくないと言う

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、みことさん、12歳です。ブロック塀倒壊事故のニュースを題材にした「身の回りをみなおす」という作文で、朝日小学生新聞最優秀賞を受賞しました。
3年前の3月30日からシマリスのもぐちゃんを飼っています。ちなみにもぐちゃんの好物はいちごとブルーベリー。

おこさま紹介

お名前: みことさん
年齢: 12歳
生まれた場所: ちょっとよくわからない
住んでいる場所: 目黒区
好きな食べ物: 和菓子(いもけんぴとか)
嫌いな食べ物: 食べれないものはあんまりないけど、ニラがあんまり好きじゃない
これまでの人生で楽しかったこと: お買い物をしているとき(お洋服とか雑貨とかアクセサリーとか)
これまでの人生で哀しかったこと: おじいちゃんが亡くなったこと
得意なこと: 暗記とものづくりとお菓子作り
苦手なこと: 運動
好きなこと: ものづくり(手芸やフェルトで小物を作ったりとか)とお菓子作り(メレンゲとかカップケーキとか)
将来の夢: 獣医さん

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:

おかし作りが上手で 工作が上手な おねえちゃん
(弟のひろふるさんより)

(みことさん、以下M)

さて、今回のおとなのお悩みは?

Q 田舎暮らしに憧れます。でも、主人は東京を離れたくないと言う。どうしたらいいですか。
(Pさん 33歳 東京都在住)

 
M やっぱり田舎のどういうところが好きなのか、っていうのを、どっちの意見もきいて。両方が東京と田舎がいいって、別れちゃってるんだったら、なんか田舎の気分が感じられるようなものを置いたりとかしたらいいんじゃないかな、って思います。

──つまり実際、田舎へ引っ越さなくても、田舎暮らしのどのようなところが好きなのかを話し合い、その雰囲気が感じられるものを部屋に置いてみればよいということですね。

M 東京に田舎っぽい感じの家を見つけたり、風鈴とか使ったりしたら、田舎の雰囲気が感じられるんじゃないかなって思います。

──風鈴などは気軽に試せそうですね。

M 雰囲気を感じられれば。

──ところで、Pさんは、なぜ田舎暮らしに憧れるのでしょうか?

M でも、私もちょっと田舎に憧れるんですよね。なんか、田舎に行って動物たくさん飼いたいな、とか、広いところで動物と一緒に走り回りたいなとか、炭火でなんか焼いてみたいな、とか思うんですけど。

──田舎に憧れるみことさんは、そんな時、どうしているのですか?

M 私は自分の部屋に動物の置物を置いたりしてます。田舎に行って動物をたくさん飼いたいっていうのが田舎に行きたい理由で、私は今、動物もちょっとだけど飼えてるから。ハイジみたいなのにはすごい憧れるけど。

──シマリスを飼っているのでしたね。それに置物の動物なら何頭でも持てそうです。

──では、Pさんのご主人という方は、どうして東京を離れたくないのでしょう?

M やっぱり、東京ってすぐ物が揃うとか、いろいろと便利だし。私もやっぱり雰囲気とかは田舎に憧れるけど、原宿とか行きたいから、やっぱり東京にいたいなって思うから。どっちもわかるんですけど。

──両方の気持ちがわかる、ということですね。

M ご主人は東京にいられればいいんだったら、家はちょっと田舎の雰囲気でもいいんだと思います。

──まずは、東京の家で田舎暮らしの雰囲気を感じるということですね。

M 和紙のランプとか置いたりしたら、光もなんか田舎っぽくなるのかなって思います。


(みことさんによる処方箋画)
壁に風景の写真とかを貼って、床には畳じゃなくても畳みたいなシートを貼って、テーブルとか棚とかは木製にしたら、ちょっとお金はかかるかもしれないけれど田舎っぽい雰囲気になるかなって。あとはテーブルにみかん置いてみたらって思いました。

Pさん、いかがでしたか?
まずは、風鈴や和紙のランプを置いてみましょう。東京にいながらにして、憧れの田舎暮らし気分になれるかもしれません。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。


雰囲気を感じられれば

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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネームと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

作家・マンガ家。新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。
著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1~3巻(リトルモア)などがある。