〈FAB LAB 4-2〉本のつくり方を学ぼう！

せーので製本！＠こども本の森 中之島

FAB LABのワークショップ、第4回が開催！　会場は第1回のワークショップを行った「こども本の森 中之島」で、“製本”がテーマです。

まずは、こども本の森 中之島でスタッフの方が日々行っている本のお手入れについて教えてもらうことに。ふだん図書館で借りる本には、表紙につやつやとしたビニールのフィルムが貼られています。図書館の本はたくさんの人が読むため、壊れにくいように強度を上げたり、汚れがつきにくくするために、スタッフの方が一冊ずつ、丁寧にフィルムを貼ってくれているのです。

こども本の森 中之島のスタッフである渥美杏奈さんが、その作業を見せてくれました。「定規型スキージー」という気泡などが入らないように貼るための定規のような道具をつかってスイスイと本にフィルムを貼っていくと、子どもたちは「すごい、貼ってあるのがぜんぜんわからないくらいきれい！」と興味津々。渥美さんが手にするハサミも一見普通のハサミのようで、実はフィルムが張り付きにくい特別な加工がされたハサミだったりと、普段なかなか見られないプロの仕事や道具を間近に見られたのは貴重な経験となりました。

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次は、子どもたちが、実際にこども本の森 中之島にある本を修繕してみる、というお仕事体験！ ページが落ちてしまったり、破れてしまっているところを「ページヘルパー」というテープで貼り、修理していきます。このテープは経年劣化しにくい原料で出来ており、長い時間が経っても色が変わったりぼろぼろになったりしにくい特殊なものです。特にページの落ちた部分を修理するのは難しかったようで、一緒に参加していたお父さんやお母さんと一緒に一生懸命作業している姿が印象的でした。

ついつい本を乱暴に扱ってしまうこともあるかもしれませんが、直すためにはこんな苦労があるということをこの体験を通して知り、本を大切に扱う気持ちがさらに強くなったようです。そして、「みんなが修理した本は、そのままこども本の森の書架に戻されます！」という先生の声に「おおおっ」と一堂どよめき。自分が修理した本がそのまま、また書架にならび、いろんな人に読んでもらえる、という大きな仕事をやり遂げた充実感と、また自分が直した本にここで出会える、という喜びに満ちていました。

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そして、ついにメインイベントである「製本」ワークショップ。「和綴じ」と呼ばれる古くから日本で行われている製本方法を教えてもらいました。紙に糸を通して束ねていく伝統的な製本方法です。まず、好みの糸と表紙を選んだら、それをつかって、紙を束ねていきます。表紙には「MilK MAGAZINE JAPON」でも活躍しているイラストレーターの服部あさみさんのイラストがあしらわれた特製表紙がたくさん用意されており、みんな思い思いの絵柄を選んでいました。

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製本の先生は、こども本の森 中之島のスタッフの池田ひかるさんです。先生がやるのを見ながら順番に糸を穴に通していくのですが、これが簡単そうで意外と難しい！ 糸を表、裏と通していくうちに、次はどちらに進めばいいのかこんがらがってしまうこともあり、とても集中力のいる作業でした。

さて、すべて糸を通し終わってしっかり糸を結べたら完成です！ 仕上げに、色とりどりのマスキングテープやマーカーを使って、表紙をデコレーションしました。「これで家でも、本格的な本が作れるね！」と見ていたお父さん・お母さんも感心した様子。おうちで絵や文章を作ったら今日習ったように表紙をつけて綴じれば、自分だけの本の出来上がり！　小さな出版社です。

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いつも当たり前に身近にある本ですが、今回のワークショップを通じてその知らなかった一面を知ることができ、子どもたちはもっと本のことを好きになったようです。デジタルの情報に触れることの多い世代の子どもたちですが、やはり実際に手で触れて好奇心を育んでいく本の素晴らしさを体験できたワークショップとなりました。

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今回ワークショップで習った製本方法の「和綴じ」はご家庭でも手軽に体験することができます。ワークショップで使用した和綴じの解説プリントをダウンロードできるようにしましたので（記事末にダウンロードリンクあり）、みなさんぜひ挑戦してみてください。