写真家・小見山峻の最新写真集が発売。バイク旅から、いま迷うことの意味を追求する

独特な生っぽさが存在感を際立たせ、いま海外からの注目も集める新進気鋭の写真家、小見山峻。彼の最新写真集『call, overhaul, and roll』が、2022年11月1日に発売予定。

4年ぶりとなる本作では、小見山が自らバイクに跨がり、彷徨い寄り道を繰り返しながら横浜から札幌へと走り抜けたロードトリップの一部始終を記録。閉塞した社会からの脱出、死別した親友への葬い、物理的孤独への願望、バイクだからこそ感じられる風の肌触りへの欲求など、若手写真家ならではの純粋な好奇心が浮き彫りになった。粛々と積み重ねられていく旅の情景に合わせて、音楽家Taihei Sakurauchiの描き下ろし楽曲と、また音楽ジャーナリスト有泉朋子と、ファッションデザイナー吉田圭佑による寄稿文が添えられる、豪華版。

——いつの間にか、道を間違えることや遠回りすることを悪手かのように避けてばかりの毎日になっていました。迷うことなんて、下をすれば食事の階数よりも多い代謝のひとつだと言うのに。ならば今こそ迷えるだけ迷ってみようと。馬鹿げた時間の使い方に踏み切ったのです。思いつきのような衝動に駆られ、バイクのハンドルに安物の方位磁石を取り付け、それを頼りに北を目指しました――(小見山峻)

――踏み出せない誰かに、何故か帰りたくない夕方に、太陽がもどかしい朝に、毛布にしがみつく真夜中に、道に迷うあなたに――(小見山峻)

小見山峻/写真家
神奈川県横浜市出身。「現実の出来事に対する視点を記録する」という写真の本質を突き詰め、コンピュータによる合成加工などに頼ることなく、グラフィカルな世界を建築する。2018年JWアンダーソン主催の”YOUR PICTURE / OUR FUTURE”にて日本人で唯一ファイナリストに選出されるなど、海外からの注目も集め、同年に初の写真集『hemoglobin』を出版。主な個展に同名の「hemoglobin」、「冴えない夜の処方箋」、KYOTO GRAPHIE KG+「なにものでもないものたちの名づけかた」など。2021年に渋谷PARCO 10F屋上スペースを全面的に使用した大規模インスタレーション展示「風が応える」を開催するなど、常に「写真」でありながら、そのアウトプットは多岐にわたる。

『call, overhaul, and roll』

A5版 ハードカバー上製本(216P)/ 限定1000部
通常版 3,900円+税、プリント付き特装版 A4サイズ:30,000円+税/ A3サイズ:50,000円+税
写真:小見山峻 テキスト:有泉智子(MUSICA 編集長、音楽ジャーナリスト)、吉田圭佑(KEISUKEYOSHIDAデザイナー) 音楽:Taihei Sakurauchi デザイン:泉 美菜子(PINHOLE)
PINHOLE BOOKS

text: MIKI SUKA