写真家・石川直樹による14の山をめぐる特別展開催
人類学や民俗学的な関心を持ってあらゆる場所を旅しながら作品を発表し、多くの展覧会や写真集を手がけてきた、写真家の石川直樹。2001年には、7大陸最高峰登頂の最年少記録を更新し、2度にわたってエベレスト登頂を成し遂げた冒険家としても知られている。最低限の装備を携えて、壮大な自然を歩き続けながら彼が見たものは、私たちにまだ見ぬ地球の美しさ、偉大さを知らせてくれている。
Gasherbrum I 2023 / Naoki Ishikawa
石川直樹のライフワークともなっている、ヒマラヤへの登山遠征を垣間見れる特別展「石川直樹:ASCENT OF 14 ー14座へ」が、千代田区立日比谷図書文化館で開催中だ。タイトルが示す「14座」とは、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈にまたがる8000m峰、14の山々を指している。石川が初めてチベットの地に足を踏み入れた2001年以来、22年間にわたって目の当たりにしてきた14の山々の写真がダイナミックに展示されている。合わせて、図書館の蔵書や新聞記事を掘り起こして、人々がヒマラヤの山々にどう関心を抱いてきたのか、テキスト等を紹介しながら、文学的・文化的なアプローチで山や登山の姿が紹介されている。
Annapurna 2023 / Naoki Ishikawa
2月4日(日)には、子ども向けワークショップ「ほんのちょっとヒマラヤを体験する」が開催予定(要電話予約、詳細は記事末)。石川直樹本人による、自身作の絵本『シェルパのポルパ』の読み聞かせや、彼が実際に使用している登山用具を紹介してくれる。対象は小学生(保護者1名様の同伴が必要)で、事前申し込みが必要。彼が目の当たりにしたダイナミックな景色を通して、子どもたちと共に、本物の自然を間近に感じるチャンスだ。
Nanga Parbat 2022 / Naoki Ishikawa
Gasherbrum I 2023 / Naoki Ishikawa
【特別展】
「石川直樹:ASCENT OF 14 ー14座へ」
会場:千代田区立日比谷図書文化館 1階 特別展示室
会期:〜2024年2月18日(日曜日)まで
休館日:1月15日(月曜日)
開室時間:月曜日~木曜日(10:00~19:00)、金曜日(10:00~20:00)、土曜日(10:00~19:00)、日曜日・祝日(10:00~17:00)入室は閉室時間の30分前まで
観覧料:¥300、大学・高校生¥200(千代田区民・中学生以下、障害者手帳などをお持ちの方および付き添いの方1名は無料)※住所が確認できるもの、学生証、障害者手帳を持参
【ワークショップ】
子ども向けワークショップ「ほんのちょっとヒマラヤを体験する」
開催日:2024年2月4日(日曜日)
開催時間:14:00~15:30(13:30開場)
開催場所:日比谷図書文化館、4階スタジオプラス(小ホール)
定員:20名
参加費:¥1000
※申込みは2024年1月16日(火曜日)〜電話のみ受付。定員になり次第締切。
申込みの詳細はこちら
石川 直樹(写真家)
1977年東京都生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。2008年『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞。2011年『CORONA』(青土社)により土門拳賞。2020年『EVEREST』(CCCメディアハウス)、『まれびと』(小学館)により日本写真協会賞作家賞を受賞した。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。最新刊に『Kangchenjunga』(POST-FAKE)、『Manaslu 2022 edition』(SLANT)など。作品は、東京都現代美術館、東京都写真美術館、横浜美術館、沖縄県立美術館等に収蔵されている。
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