安西水丸さんの絵本

先日仕事仲間たちと話していて、みなさん忙しい中でも子どもに絵本の読み聞かせをしていると聞き、ちょっとドキっとしました。私は読み聞かせが、あまり得意ではないのです。小さな頃寝る前に母に絵本を読んでもらっていたし、その時間が大好きでした。今も、絵本自体は好きなんです。なのに夜になれば疲れていたり、早く寝たかったりで、読み聞かせする余裕もなく。そしてちょっと、声に出して物語を読む自分に照れてしまったりするのです。

そんな私でも、「この本を読んであげるのは得意」と言える本があります。それが安西水丸さんの絵本。仕事でへとへとになっていても読めるページ数。擬音語が多くリズムをよく読めて、言葉がシンプルなぶん想像力を掻き立てるのでしょうか、何度読んでも飽きません(私も子どもも)。特に好きなのが『おばけのアイスクリームやさん』! おばけのぼんちゃんが森で出会うどうぶつたちに次々とアイスを渡します。なんてことのないストーリーですが、「みんな ぼんちゃんの アイスクリームが だいすきです」という最後のページの言葉を子どもと一緒に口にすると、なんだか幸せな気持ちになれるんです。

たくさんの本を読んであげたいという気持ちはやまやま。でも。何度読んでも楽しくて、何度読んでも好きでいられる本も素敵だなと。私はおばけのぼんちゃんのアイスクリーム、味の想像もできているんです。きっと読みすぎです(笑)。(M)