小林エリカさんによる初の絵本作品『わたしは しなない おんなのこ』。個展も開催中!
「わたしの望みは、死んでからもなお生きつづけること!」
このアンネ・フランクの言葉が創作のきっかけになった、小林エリカさんによる初の絵本作品『わたしは しなない おんなのこ』。
「しぬのは いやだな」、そう考えたひとりの女の子が口ずさんだ「♪わたしは しなない おんなのこ〜」という歌が物語の始まり。その歌を耳にしたねずみ、ねずみを食べようとした猫、そしてノミたちが、バトンのように歌い継いでいく。歌は時を超え、国さえも超えて、ずっと遠くに住む女の子の耳に届き、その子もまた同じように歌う様子が描かれている。
最初に歌った女の子がこの世を去ってからも、歌は生き続ける。アンネ・フランクが日記とともに生き続けているように。死の話からは目を背けがちだけれど、この絵本は死について深く思いを馳せるきっかけになり、誰かが死んでも、その人の言葉は生き続けるということに気付かせてくれる。ところどころにネオンカラーを使った絵は、子どもにとっても魅力的。思い思いのメロディで「わたしは しなない おんなのこ」を歌ってみるのも楽しい。鮮やかなページをめくりながら、生と死をめぐる親子の対話をしてみては。
また、9月28日(火)から10月23日(土)まで個展『わたしは しなない おんなのこ / Seance』をYutaka Kikutake Galleryにて開催中。アンネ・フランクの「わたしの望みは、死んでからもなお生きつづけること!」という言葉と、アンネと同年の1922年に生まれシャーロキアンであった小林さんの実父をめぐる作品で構成されている。さらに10月1日(金)から来年1月30日(日)まで弘前れんが倉庫美術館で開催される『りんご前線ーHirosaki Encounters』にも参加し、弘前の地で出生した父の人生、そして死と死後の記憶の在り方をめぐる新作インスタレーションを発表する。開催概要は下記にて。
【絵本概要】
『わたしはしなないおんなのこ』
作/絵:小林エリカ
出版社:岩崎書店
価格:¥1,870
【展覧会概要】
『わたしは しなない おんなのこ / Seance』
会期:2021年9月28日(火)〜10月23日(土)
場所:Yutaka Kikutake Gallery
東京都港区六本木6-6-9 2F
営業時間:12:00〜18:00
休業日:日・月・祝祭
『りんご前線—Hirosaki Encounters』
会期:2021年10月1日(金)~2022月1月30日(日)
場所:弘前れんが倉庫美術館
青森県弘前市吉野町2-1
開館時間:9:00〜17:00
休館日:火曜日 (祝日の場合は翌日に振替)、年末年始
観覧料:一般/¥1,300、学生¥1,000
※展覧会情報は変更となる可能性もございます。 詳細は会場HPをご確認ください。