おこさま人生相談室 第61回-小林エリカ
おとなのお悩み
どんどんきれいじゃなくなるのが寂しいです。
今回、人生相談にお答えいただくおこさまはMiraさん7歳。
インターナショナルスクールで開催された、ハロウィンパーティのスペース・ダンス・コンペティションで優勝したというMiraさん。
ぬいぐるみたちに本をつくってあげることも好きだそう。最新作は、“シナモンちゃん”に作ってあげた「シナモンカフェ」。
おこさま紹介
お名前:Mira
年齢:7歳
生まれた場所:宇宙
住んでいる場所:東京
好きな食べ物:ラーメン
嫌いな食べ物:バナナ
これまでの人生で楽しかったこと: 学校でしたハロウィンパーティ。ちなみにコスチュームはパワーレンジャーのピンク。
これまでの人生で哀しかったこと:けんか。なんかさ、だれかが引っ掻いた。
得意なこと:さんすうかな
苦手なこと:こくごかな 漢字でかくときあっておんなじみたいな漢字あってわすれちゃうときもある
好きなこと:工作
未来の夢:ジュエリーとか売る人
「私アーティストだもん」というMiraさんの犬の絵。
おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
ミラちゃんはとても優しい子です。おばあちゃんが膝が痛くなると、肩につかまらせてくれたり、ソファーから立つ時は、手を引っ張って立たせてくれたりします。創作ダンスを踊ってくれたり、側転を見せてくれたり、活発な面もあります。ミラちゃんのお話は、とてもユーモアがあって楽しいです。これからもお話を沢山聞かせて下さい。
(おばあちゃんより)
(Mira、以下M)
さて、今回のおとなのお悩みは?
Q 70歳になり、どんどんきれいじゃなくなるのが寂しいです。どうしたらいいですか。(ズンバズンバさん 70歳 東京都在住)
M またさ、マッサージとか、メイクとかつける。
いつもさ、わたしのおばあちゃんさ、きれいになりたいって、マッサージとか、フェイスマスクやってるから。
──マッサージやメイクをしたら、きれいになれる。
M うん、そうだね。
──Miraさんは、自分が年を取ってもきれいでいると思いますか?
M それはわかんない。
──なぜでしょうか?
M うーん。
──どうして年を取るときれいでないかもしれないと思うのですか?
M 皺とかできる。だけどさ、日焼け止めとかさ(塗れば)、皺できないから。
──ちなみに、Miraさんは、きれいになりたいと思いますか?
M うん。
──どういうのがきれいということなのでしょうか?
M 顔。肌とか。
──ちなみにズンバズンバさんは、きれいじゃなくなるのが寂しいそうです。どうしたら寂しくなくなるでしょうか?
M 勇気を出してがまんする。
──何を我慢するのですか?
M かなしいこととか。
──Miraさんからズンバズンバさんに、何か言ってあげられることはありますか?
M 大丈夫だよ。
──大丈夫。
M だってさ、みんなはさ、だれでもさ、世界中の人はさ、自分は自分だから。
──自分は自分。
M うん。
──つまり自分は自分だから、きれいとか、きれいじゃないとか、そういうことは関係ないということでしょうか。
M そうそうそうそう。
(Miraさんによる処方箋画)
The world person is thereself.
I am myself. I am myself too.
(原文ママ)
世界の人は、自分は自分。
わたしは自分。わたしも自分。
ズンバズンバさん、いかがでしたか?
マッサージとか、メイクとかつけるのも、いいかもしれません。
でも、どんなときにも、自分は自分。
大丈夫です。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。
みんなはさ、だれでもさ、世界中の人はさ、自分は自分だから
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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネームと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。
小林エリカ
新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。他の著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1〜3巻(リトルモア)など。
絵・取材・文:小林エリカ