おこさま人生相談室 第48回-小林エリカ

おとなのお悩み

娘がオンラインで授業で画面に映るのが恥ずかしいといって逃げ出したり勉強を嫌がるようになり困っています。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、琴乃さん11歳です。取材当時東京は緊急事態宣言中。休校でステイホーム中だった琴乃さんに、Skypeでお悩みを相談させていただきました。
琴乃さんが最近はまっているのは古事記です。
「ラノベ古事記」というサイト(注:『ラノベ古事記 日本の神様とはじまりの物語』小野寺優著としても書籍にもなっています)がきっかけだったそう。とくにお気に入りの神は月読命(ツクヨミ)。

おこさま紹介

お名前:琴乃
年齢:11歳
生まれた場所:どこ?
住んでいる場所:東京
好きな食べ物:納豆
嫌いな食べ物:なす
これまでの人生で楽しかったこと:ジップライン(森の木々の間に張ったワイヤーを滑車で滑り降りるアクティビティ)したこと。人生で何回かやってますけど、一番多くやってるのは北軽井沢のスウィートグラスアドベンチャー(旧フォレストアドベンチャー・あさま)。
これまでの人生で哀しかったこと:祖母の家の犬の風太郎(白で耳の先だけ茶色いロングコートチワワのふーくん)が死んじゃったとき
得意なこと:ピアノ 最近はルパン三世のテーマ’80を弾いています。ちなみにルパン三世のキャラで好きなのは銭形警部。
苦手なこと:運動 とくにマラソン
好きなこと:風太郎の影響により犬とたわむれる。犬猫アレルギーなのだけれどペットショップにいってたわむれるくらいなら大丈夫。
未来の夢:国文学者とか 歴史マニアなので
 
おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
「完璧っていう雰囲気(出木杉くんみたいな)じゃないのに、私にとって完璧な、ピアノも弾ける、自分の親にいつもとんでもなく難しい歴史の問題を出しちゃう程の超がつく歴女。」
(姉妹のような幼なじみの、りおちゃんより)
 
「ことのちゃんは1年生の時からの大親友です。頭も良いし、少しひかえめですが、ユーモアのセンスが独特です。ツッコミが上手で、皆んなを笑わせてくれます。」
(歴女仲間で親友の、りんちゃんより)

(琴乃さん、以下K)

さて、今回のおとなのお悩みは?
 
Q 娘がオンラインで授業をしているのですが、画面に映るのが恥ずかしいと言って、もじもじしたまま途中で逃げ出したり、わざと返事をしなかったり、勉強を嫌がるようになり、困っています。
(グミベアーさん 42歳 東京在住)

K わかります。
 
――今回もオンラインで取材させていただいているのですが、琴乃さんもその気持がわかるのですね。
 
K わたしも初対面の人とは話せない時期が長くって、いまもそうなんですけど。
自分の映ってる画面は見ないほうがいいかもですね。わたしとしては。
 
――自分が映っている画面を見ない。
 
K いつもみたいに、相手の顔を見て話せばそんなに緊張することもないと思います。
 
――確かに、画面上で相手の顔だけを見て話せば、いつもとおなじように感じられるし、話せるかもしれないですね。
ちなみに琴乃さんは、コロナによる緊急事態宣言以降、オンラインでやるようになった授業などはありますか?
 
K  あります。すでに英語とピアノがそうです。
 
――オンライン授業をはじめてやったときは、いかがでしたか?
 
K  一番最初はすっごいドキドキしたんですよ。テレビ電話とかFacetime以外であんまりやったことないし。特に家族以外。だから、緊張以外のなにものでもなかったです。

――どのくらいで慣れましたか?
 
K  30分くらい。2回目はすぐに慣れました。
 
――どうしたら、そんなにすぐに慣れることができたのでしょう?
 
K まあ、話しかけるしかないと思いますけど。
わたしの英語の先生とかすっごくおしゃべりで、話題作るのが上手で。
 
――いま、オンライン授業はいかがですか?
 
K 楽しいですよ。
最近目が悪くなってきて、自分が映ってるところが見えずらくていいです。
とにかく自分の顔を見ないことです。わたし的には。
 
――とにかく自分が映っている画面を見ない、というのがポイントなのですね。
 
K 相手との会話に熱中できたら、自分の顔も気にならなくなるので。
シャイだけれど、話すのは好きなんでわたし。
 
――自分が映っている画面を見なければいい、という結論にはどのようにして至ったのでしょう?
 
K わたし昔はすっごいひっこみじあんで、人になにかやれっていわれれば、断れないタイプだったんですよ。それに自分の顔のこともちょっと気にしてて。だから、(自分の)顔はいっそのこと見ないほうがいいのかなって、考えるようになったんです。
 
――なるほど。たしかに自分の顔を見なければ、自分の顔のことを気にしたり考えすぎたりすることもなさそうです。グミベアーさんの娘さんも、画面上で自分の顔を見なければ、もっとオンライン授業を楽しめるようになるでしょうか?
 
K ふだんみんなとふつうに仲良くしゃべれてるんなら大丈夫だと思います。
 
――少し気になるのは、グミベアーさんの娘さんが、オンライン授業をきっかけに勉強を嫌がるようになっているということですね。
 
K まだわたしはオンライン授業ないんですけど、きょう朝礼があって。オンラインで。みんなと話すのはすごく楽しかったんですけど、みんなとノート取りながら勉強する感じなら、みんなのリアクションとか先生がいってることとか、集中するのが大変だと思うんですけど。
 
――確かに、実際の授業よりもオンラインだと集中するのが大変かもしれないですね。
 
K なんかそれも自分をみなければ、というか。とにかく先生の言うことを聞く。まあ、学校でいわれそうな単純なことなんですけど。
 
――やっぱりそこでも、自分が映っている画面を見なければいい。あとは、先生の言うことを聞く、ということですね。
 
K わたしZ会の通信教育もやってて、添削問題を先生に郵送するんですけど、返ってきたときにコメントがあったりすると、嬉しいんですよね。お手紙とかも出せるし。そういうコミュニケーションも大切だと思います。シャイですけど。だから手紙とかがいんじゃないかなって。オンラインもおなじだと思うんです。
 
――どういうところがおなじなのですか?
 
K  直接会えないってこと。自分と相手が直接話しているんじゃなくて、距離があるから気楽に話せるのかなって。
 
――直接会ったり話したりできないからこそ話せるということもありますね。ただオンライン授業のような形式だと一対一のコミュニケーションをとるのが難しく、先生対多数になってしまうことも多いかもしれません。
 
K 先生が他の人に話題を振っているときとかは、自分だったらこう答えるなとか、先生に話題を振られている生徒さんの返答に心の中でツッコミをいれたりとか。わたしはたまにテレビの人とかにもそうしてます。
たまに心の声が声に出ちゃったりしますけどね。
 
――そうすれば先生が自分に直接話題を振ってくれていなくても、自分も一緒に話しているような気持ちになれそうですね。
ひょっとしたら、まだそれを知らないグミベアーさんの娘さんは、もじもじしたまま途中で逃げ出したり、わざと返事をしなかったりすることで、先生やみんなの気を引きたいのかもしれないですね。
 
K わたしもそういうのたまにあるんですよ。
 
――琴乃さんもわざと気をひこうとすることがあるのですか?
 
K わたし両親が共働きで。学校に行ってるからそんなに寂しくはないんですけど、かまってもらえないこともありますし。
最近は在宅で距離は近いのに、両親が仕事に集中したいからって、なかなか相手してくれないときはあるんです。そういうときはまあ、拗ねたふりしたりとかはします。
 
――そんなとき、おとなはどうしてあげたらいいのでしょうか?
 
K  いっつも話してる時みたいに返事をしてくれるのが、わたしは一番うれしいです。
 
――いつでもちゃんといつもどおり話に返事をする。
 
K  仕事中でも、仕事中じゃないときでも、いっつもおんなじかんじで返事をしてくれるのが嬉しいです。
 
――なるほど。確かに、仕事をしていたり忙しいときには、ついついおとなは、後でといって話をちゃんと聞かなかったり、返事をおろそかにしてしまったりしがちかもしれません。
 
K そうなんですよ!
仕事の同僚に母が愚痴いってるとことかすっごい目撃したりしてますから。
いらいらしているときに話しかけると気まずい感じになるじゃないですか。
 
――そういうときでもちゃんと話を聞いてちゃんと返事をするのが大切、ということですね。
 
K そうです!



オンライン授業の様子。先生が説明しているのを生徒が聞いているところ。

グミベアーさん、いかがでしたか?
まずは娘さんに自分の映っている画面は見ずに、相手の顔だけを見て話すようにすすめてみてください。
もしも娘さんが拗ねているのかもしれないと感じたら、忙しいときでも、ちゃんと話を聞いて返事をしてみてあげるのがよいそうです。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言はふたつ。


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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネー ムと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

作家・マンガ家。新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。
著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1〜3巻(リトルモア)などがある。