おこさま人生相談室 第43回-小林エリカ

おとなのお悩み

仕事場で影で悪口を言われていることがわかってショックでした。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、ミウナさん(左)とココナさん(右)7歳です。一卵性双生児のふたり。学校のクラスは別々なので、放課後はそれぞれ別の公園で遊ぶこともあるそう。一緒にはそろばん教室に通っています。最近はお母さんが買ってくれた帽子(キャップ)がお気に入り。

おこさま紹介

お名前:ミウナ
年齢:7歳
生まれた場所:江東区
住んでいる場所:?
好きな食べ物:納豆
嫌いな食べ物:ピーマン
これまでの人生で楽しかったこと:ハワイ旅行
これまでの人生で哀しかったこと:やなことされたこと
得意なこと:なわとび
苦手なこと:うんてい
好きなこと:図工 なんか作ったり試したりすること
未来の夢:ぼうしやさん

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:

(し水春えさんより)
 

お名前:ココナ
年齢:7歳
生まれた場所:江東区
住んでいる場所:?
好きな食べ物:ぶどう
嫌いな食べ物:ピーマン
これまでの人生で楽しかったこと:学校でうさぎを見たこと
これまでの人生で哀しかったこと:やなことされたこと
得意なこと:なわとび
苦手なこと:てつぼう
好きなこと:音楽 歌うこと
未来の夢:ぼうしやさん
 
おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
「ここなは、双子のせいか姉のみうなとは時々張り合いますが、人を楽しませたくて、ひょうきんなこともするし、気もつかう優しい子です。」
(おばあちゃんより)

(ミウナさん、以下M、ココナさん、以下K)

さて、今回のおとなのお悩みは?
 
Q 仕事場の女の人たちと仲良くなれません。
上司にも部下にも女の人が多い職場で、細かいことにキーキー言われて疲れています。強い女の人とも仲良く仕事をしたいと思っていますが、どうしたらよいでしょうか?
ニコニコと笑顔で話をしてくれているのに、影で悪口を言われていることがわかってショックでした。
(くまおさん 49歳 東京都在住)

M いっかい、友だちになろって、話しかけてみて、返事きく。
 
K がんばって話して、それでダメだったら、しばらくたってから、もういっかいいう。
 
―まずは、もう一度ちゃんとコミュニケーションしたり、仲良くなろうと努力をしてみるということですね。でも、くまおさんは影で悪口を言われていることがわかってショックだったようですが。
 
K ちゃんとやめてっていう。
 
M 悪口をいうのはやめてっていう。
 
―悪口を言われたことも含めて、ちゃんと話してみるということですね。おとなになるとなかなか、やめてとか、お友だちになろうって、言えなくなってしまうのかもしれません。どうしたら、ちゃんと言えるのでしょう?
 
M 勇気を持ったらいい。
 
K がんばるきもちで言う。
 
―やはりちゃんと言った方がいいのでしょうか?
 
K 気持ちが楽になるから。
 
―ところで、ふたりは気まずくなったり、喧嘩したりすることはありますか?
 
K M ある!
 
―そういう時にはどうするのですか?
 
M ココナの髪の毛ひっぱる。
 
K それでお母さんがとめて。
 
M で怒られて、それで次の日になったら仲直りしてる。
 
K  ごめんねとかいってないのにまた仲良しになる。
 
M 仲良しになる。

―一度、仲が険悪になっても、また仲良くなれるのはなぜでしょうか?
 
M お母さんが見た時には、なんか仲良くなってる。
 
K 一回やめたらなんか忘れちゃう。なんかおこられて、(喧嘩を)とめられたら、あれ?ってなって。
 
K M 寝たらもう忘れてる。
 
―ココナさんも、ミウナさんも、これまでの人生で哀しかったことは、やなことされた、でしたが、そのときはどうでしたか?
 
K M (ちゃんとやめてって)言えた。
 
―やなことした人はどうなりましたか?
 
K M わかった、やめるって。
 
―それでまた仲良くなれた?
 
K M うん。
 
M いま、いじわるする人に慣れたから。二年経ってるから。もう、いじわるされてもいい。
 
K  無視していれば、えーなんか面白くないなってかんじでやめて、その子は集中して勉強してくれるから。
 
―確かに、もういいやって思ったり、無視したりすると、やなことする人も、勉強や仕事などその人自身のことに集中してくれるかもしれません。どうしたら、くまおさんも、もう、いいやって、思えるでしょうか?
 
K 何日か寝て、もうこちょこちょ話しているところを見なければいい。そうすれば忘れられる。
 
M こちょこちょ話しているところから離れて生活すれば忘れられると思う。
 
―くまおさんは、これから、どうしたらよいでしょうか?
 
K 強く言わないで、軽く言って。それでほっといて、それでももう一回やったら、あきらめる。
 
―軽く話し合いをして、それでもまた影で悪口を言われたりしたら、あきらめる。つまり、もう、仕事場の人たちと別に仲良くしなくていい、ということですね。
 
K あんまり近くないし。
 
―近くない?
 
K  仕事してるとき、真剣だから、関係ないことあんまり話さないし。べつにいっか、ってかんじ。



こうゆうことをしないでといって、いいよ!といって、なかよくなる。

くまおさん、いかがでしたか?
まずはがんばって話をしてみましょう。
でも、それでもダメだったら、影口を言っている人たちのところから離れましょう。仕事場の人たちと別に仲良くしなくていいそうです。
そして寝ましょう。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。


画像ダウンロードはこちら

お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネームと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

作家・マンガ家。新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。
著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1〜3巻(リトルモア)などがある。