おこさま人生相談室 第35回-小林エリカ
おとなのお悩み
自分のことをかわいいと思えません。
今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、葉和さん、7歳です。劇団四季のミュージカル『アラジン』を観に行ったときに買ってもらったブレスレットがお気に入り。宝物はお兄ちゃんと一緒に写っている写真です。
おこさま紹介
お名前: 葉和(はわ)さん
年齢: 7歳
生まれた場所: 東京
住んでいる場所: 代々木です
好きな食べ物: やさい キュウリ
嫌いな食べ物: そんなにないですね
これまでの人生で楽しかったこと: 家族でハワイに行ったこと
これまでの人生で哀しかったこと: ないですね
得意なこと: 器械体操 ブリッジとか
苦手なこと: ドッヂボールとか
好きなこと: パパとスケボーやったりとか
未来の夢: 看護師さんかお洋服屋さんになりたい
おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
小学校に入学してから、ますますお洒落に興味を持つようになりました。リカちゃん人形も大好き。体を動かすことも大好きで休日はよくスケボーをしています。とっても頑張りやさん。
(お母さんより)
(葉和さん、以下H)
さて、今回のおとなのお悩みは?
Q 自分のことをかわいいと思えません。どうしたら自分のチャームポイントを見つけることができますか?
(犬山紙子さん 37歳 東京在住))
H 女の人だったら、かわいい(格好)とか、流行ってるお化粧したら、いいと思います。
──なぜそうするとよいのでしょう?
H そしたら、自分がかわいいとおもえるから、だと思います。
──葉和さんは、自分のことをかわいいと思えますか?
H ふつうだと思います。
──なぜ、ふつうだと思うのでしょうか?
H わたしより、かわいい子がいるからです。
──もし、かわいい格好をしたり、流行っているお化粧をしたら、より自分のことをかわいいと思えるようになる、ということのですか?
H そしたら、ともだちに、きょうかわいいね、といわれるかもしれない。
──ちなみに葉和さんは、自分のチャームポイントを見つけることができますか?
H ちょっとだけなら、見つけられますね。
──どのようなことですか?
H なんか、みんなに、運動がいっぱいできるっていわれてるんで。たぶんそうかなって、おもいます。
──どうしたら犬山紙子さんも、自分のチャームポイントを見つけることができるようになるでしょうか?
H なんか自分がやりたいことをやったらいいかな、と思います。
──なるほど。
H そしたら、ひとつとか、にことか、見つけられると思うからです。
──自分がやりたいことをやったら、自分のチャームポイントを、ひとつでも、ふたつでも、見つけることができる。
H はい。
──ちなみに葉和さんは、どんなことをやって自分のチャームポイントを見つけたのでしょうか?
H お絵かき描いたり。本よんだり。ともだちとあそんだり。
──そうしたら、チャームポイントが見つかったのですね。
H はい。
──葉和さんは、自分がかわいいかどうかで悩んだことはありますか?
H ない。
──おともだちで悩んでいる方はいますか?
H いない。
──なぜ、おとなは自分がかわいいかどうかで悩んでいると思いますか?
H 仕事とかやっているから。
──仕事をすると、自分がかわいいかどうかで悩むようになるものなのでしょうか?
H 仕事とかやって、うまくいかなかったりするから、悩む人もいる。
──女の人はとくに、自分がかわいいかどうかで悩むことが多いように見うけられます。
H なんか、ストレスとかかかっちゃうから。
──ストレスとかがかかってしまうと、自分をかわいくないと思ってしまいがち、ということですね。
H はい。
──ということは、ストレスをなくせばよいのでしょうか?
H はい。
──ちょうど犬山紙子さんからは、このようなお悩みもいただいています。あわせてお答えいただけますか?
Q. ストレスが溜まると、たまに大声で叫びたくなります。大声で叫んだら気持ちいい言葉を教えてください。
H ストレスのことを、叫ぶ。
──たとえばどのようなことでしょうか?
H 仕事がうまくいかなかったりとか。お母さんと喧嘩しちゃったりとか。
──なるほど。ストレスをきちんと言葉にして、そのまま叫べばよい、ということですね。
H はい
──葉和さんはストレスがありますか?
H そんなにないですね。
(葉和さんによる処方箋画)
やりたいことの絵
犬山紙子さん、いかがでしたか?
ストレスとかがかかってしまうと、自分をかわいくないと思ってしまいがちだそうです。
ストレスをきちんと言葉にして叫んで、気持ちよくなりましょう。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。
なんか自分がやりたいことをやったらいいな
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小林エリカ
作家・マンガ家。新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。
著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1~3巻(リトルモア)などがある。