「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れた「星野リゾート リゾナーレ大阪」のアトリエ体験第二弾。今回は、アトリエの「表現」エリアで遊びます。ここでは芸術の専門家である「アトリエリスタ」との対話を通して、自分の表現を深めていく「プロジェクト体験」が行われます。いわゆるワークショップとは違い、なにか決められた成果物を作るのではなく、子供が主体的に興味があるものを見つけ、探究を進めていき、表現を深めていく活動です。そうした過程を経験するこそが、このプロジェクト活動の目的です。
シーズンごとに設定されているテーマは「花に聴く」(5月31日まで開催)。アトリエ内には、多彩なドライフラワーや生花が用意されていて、それらを使ってさまざまなことを感じ取っていくプロジェクトです。虫眼鏡で花びらを観察すると早速「血管みたいな筋がたくさんある!」と発見の声。すり鉢でいろんな花びらをすりつぶして色を観察したり、花が半分だけ描かれたイラストの残り半分を自分で想像して描いたり、または花びらをガラス窓に貼り付けて透かして観察したりと、参加したこどもたちが思い思いにみな違ったことをしている様子はとても新鮮です。
使われている花は、ホテル内の装飾や結婚式などで使われたものや、地域の花屋から提供してもらったロスフラワーを活用しているのだとか。これだけふんだんに生花を使えるのはとても貴重な体験。痛みの早いものも押し花やドライフラワーに加工され、しっかりと活用されていました。
プロジェクトが終わると、最後は家族と一緒に自分が学んだことを発表して振り返る時間。約60分の活動時間の間は、基本は親と離れて活動します。窓の外からその様子を見守ることはできますが、基本は子供だけで学びを進めるため、この発表で、「あのときはそんなことを考えていたのか! 」と親にもいろいろな発見があります。「お花をすりつぶして色水作ったよ!」と子どもたち同士でも見せあいっこするなど、時間ギリギリまで盛り上がりました。最後に、活動中の記念写真をプレゼントしてくれるサービスもあり、旅の記念として持ち帰れます。
子供がプロジェクトの活動中、親は同じフロアにあるラウンジを利用して、ティーサービスやイブニングカクテルを楽しみながらゆっくりと過ごすこともできます。アトリエのすぐとなりにあるので、子供たちの小休止にも最適。こういうちょっとした息抜きの時間ほど、贅沢なひとときを過ごしたくなりますよね。また、ホテル内のレストラン「basilico」では、子供向けのコース仕立ての料理も。前菜、スープ、選べるメインにデザート、と、子供も一緒に本格的なコース料理を楽しめます。
宿泊するお部屋は「アトリエルーム」と呼ばれる特別仕様。壁や窓に専用の色鉛筆で絵を描くことができるようになっています。また「アトリエルーム デラックス」には天井からネットが張り巡らされていて、まるでアスレチックのよう。「天井がおっきなハンモックみたい!」と、飛び跳ねたり、寝転がったりで大盛り上がり! 最後におみやげに、ガラス窓にも描けるリゾナーレ特製のキットパスを買って体験終了! たっぷりと「創造力を遊びこむ」時間を過ごせる宿泊型アトリエでした。知らなかった子供の一面が垣間見えたり、子供だけでなく、大人にとっても新たな気づきや発見があり、家に帰ってからもこれまでとはモノの見方が変わるような、そんな体験となりました。
星野リゾート リゾナーレ大阪
「創造力を遊びこむ」をコンセプトに、色鉛筆で壁や窓に絵を描くことができる客室や、興味関心をかきたて、さまざまな表現方法で遊びこむ日本最大級のアトリエを備えるホテル。イタリアの乳幼児教育「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れ、創造力を育む滞在体験を提供してくれる。https://risonare.com/osaka
Photograph: Akira Yamaguchi
Produced by STRAIGHT