作ったおもちゃでおはなしを盛り上げよう——こども ビームス&MilK MAGAZINE japonの「おいしいおはなし」

清々しく晴れた4月12日の土曜日。東京・代官山にある「こども ビームス」で開かれたおはなし会「おいしいおはなし」には、多くの子どもたちが訪れた。おはなしに耳を傾けるだけでなく、作ったおもちゃで一緒におはなしを盛り上げることで、印象深い読み聞かせ体験となったよう。

このイベントは、〈こども ビームス〉が大切にしている「こどもの豊かな感性や創造力を育む」という想いと『MilK MAGAZINE japon』の「家族を彩る美しい時間を届ける」というコンセプトが共感しあい、ともに開催することになった。「おいしいおはなし」は、MilK MAGAZINE japonで連載しているコラムで、おいしいものが出てくる児童文学を紹介しながら、登場する料理やお菓子を作ってレシピを届けている。また、コラム執筆・レシピ制作の二人に劇団文学座に所属する千田美智子さんを加えた三人で、読み聞かせとお料理や工作などを組み合わせたおはなし会を行い、五感を刺激するおはなしの味わい方を提案している。

この日に開催されたおはなし会は青空会場。「こども ビームス」店舗横のウッドデッキのスペースにタープを広げ、ラグを敷いたところに、子どもたちは集まった。プログラムは、工作+読み聞かせ。まずは工作の説明から。子どもたちの身近にもある、紙コップとストローを組み合わせ、「げこげこ」と音の出るカエルを作る。ストローの曲がる部分を紙コップに開けた穴に通すことで擦れて音が鳴り、紙コップの中で反響して、かなりりっぱな「げこげこ」音を鳴らすことができるもの。

見本のカエルを「げこげこ」鳴らすと、子どもたちは「それ作りたい!」と目がきらり。早速、いろいろな色、いろいろなポーズのカエルの型紙の中から自分たちの好きなものを選び、目玉をつける。目玉をつけると、ぐっとキャラクターが立って、親しみが湧くのが不思議なところ。

それから、思い思いにカエルの表情を描き足す。にっこり大きな口を開けてみたり、気合を入れて一文字に口を結んでみたり、体に模様を描いてみたり。それから紙コップも、タックシールやマスキングテープでカラフルに彩る。

「げこげこ」「げこげこ」「げこげこ」
あっちこっちで、小さなカエルたちが誕生した! 自分で作ったものを鳴らしてその音が響くと、子どもたちはパッと笑顔になる。
「それじゃあみんなのカエルを使って、これからおはなしを一緒に盛り上げていきましょう」と、朗読の千田さんが声をかけると、小さなカエルたちは「げこげこ」と返答。今回の読み聞かせは小学校の教科書にも載っている『ふたりはいっしょ』(アーノルド・ローベル)からの一篇。主人公のがまくんとかえるくんが、食べたいお菓子をなんとか我慢しようとする、ユーモラスな奮闘のおはなしだ。

「おはなしの途中で、がまくんとかえるくんがくじけそうになった時、みんなのカエルを鳴らして『がんばれー!』って応援してね」
「げこげこ」と子どもたちが音で同意を示すと、さあ、おはなしのはじまりはじまり。
がまくんとかえるくんの対話でおはなしは展開していく。途中、鳥たちが登場するシーンではどこからともなく鳥の声が聞こえ(スタッフがこっそり鳴らしたバードコールの音)、本当に鳥が来たのかと子どもたちがびっくりして辺りを見回した一幕も。もちろん、応援が必要なシーンでは、「げこげこ」「げこげこ」「げこげこ」「げこげこ」と、小さなカエルたちが大いにその音を響かせた。


「おしまい!」とおはなしが終わると、まわりで一緒に見ていた保護者や通りがかりの人たちから自然と拍手がわき、子どもたちも「げこげこ」「げこげこ」と手元のカエルでおはなしの終わりを盛り上げた。

帰り支度を始めた子どもたちには、MilK MAGAZINE japonのロゴステッカーと「おいしいおはなし」のシールをプレゼント。実は、受付時に渡したお土産の中には、おはなしにまつわるおやつも!
「おやつの封のシールにQRコードがついていて、『MilK MAGAZINE japon』のWEBサイトに載っているレシピを見ることができます。もっと食べたい!と思ったら、おうちの人と一緒に作ってみてくださいね」