子どもたちを撮り続ける横浪修の最新作「Wild Children」展が開催

写真家・横浪修の写真展「Wild Children」が2月3日から、東京・学芸大学のBOOK AND SONSで開催される。

「MilK MAGAZINE JAPON」でも、子どもたちの豊かな表情を捉えた写真が印象的な写真家・横浪修氏は、長年にわたって同条件下での子どもを被写体とした「100Children」シリーズを制作している。本作はその最新作。この「Wild Children」では、およそ1〜3歳までの子どもたちの泣き顔が捉えられ、その力強いエネルギーが写し出されている。
生き物の本能、真っ直ぐな感情を爆発させる子どもたちと、まっすぐに向き合った横浪氏は、以下のような言葉を寄せている。

なんて泣いてる姿は力強いんだろう
なんて凄まじいエネルギーだろう
まさしく動物的本能がそこには色濃く現れたのであった

100Children シリーズの延長線上にあるのが今回のシリーズであり、年齢はおおよそ1歳から3歳までの子達である。
お母さんと離れてしまうと何人かはどうしても泣いてしまう。
これまでのシリーズではなだめて泣き止むのを待って撮影していたが、泣いて出来ない子は諦めて撮影してこなかった。
しかし何人かのお母さんは、何が何でも撮影したい、記念に……そんな思いがとにかく強い。
今回はあえてそこにフォーカスしてみた。
子供達は周りの状況に関係無く、泣く、とっても泣く、大いに泣き叫ぶ。
撮影が終わったあと、生まれて初めての試練をやり遂げた子供達の安堵に包まれた顔を見るお母さんの、惜しみない愛情が注がれているのを必ず目の当たりにした。
帰る時には達成感に満ちた顔で手を振ってくれる子を見て、お母さんも晴れやかな笑顔を浮かべる。
それを見てなんとも言えない温かい気持ちに毎回なるのであった。

本展では、写真集『Wild Children』に未収録のカットも含め、約25展の作品を展示する。
また、同シリーズの過去作にて被写体となった子どもたちの数年後の姿を捉えた映像作品を公開予定。こちらで時を経て変化していく子どもたちの表情にも注目したい。

横浪修
1967年京都府生まれ。
ビジュアルアーツ専門学校を卒業後、文化出版局写真部へ入社を経て独立。「装苑」「MilK MAGAZINE JAPON」「FIGAROjapon」などファッション誌や広告撮影のほか、CDジャケット撮影や映画ポスター撮影など幅広いジャンルを手がけている。著書に『なんのけない』『100Children』『1000Children』『Assembly』『Sasayama』『MIZUGI』『KUMO』など。

【展示会概要】
「Wild Children」
会期:2022年2月3日(木)〜3月1日(火)

〈BOOK AND SONS〉
住所:東京都目黒区鷹番2-13-3 キャトル鷹番
tel:03-6451-0845
開館時間:12:00-19:00 水曜定休/入場無料
*新型コロナウイルス対策についてや入場制限等、展覧会場の詳細についてはウェブサイトで確認ください。