アジア最大級のアートブックイベント「TOKYO ART BOOK FAIR 2025（TABF）」が、今年も東京都現代美術館で開催される。会期は12月の2週末、12月11～14日、12月19～21日。世界中のアーティストや出版社が手がけたアートブック、ZINE、カタログがずらりと並ぶ、年に一度の“本のフェスティバル”だ。

TOKYO ART BOOK FAIR 2024 の会場 Photo: Hajime Kato

TABFは2009年のスタート以来、開催地を巡りながら規模を拡大し、現在は毎年、2万人以上が訪れるビッグイベントへと成長。国内外の出版社、ギャラリー、アーティストが集まり、MilK MAGAZINE JAPONでもお馴染みのフォトグラファー横浪修さんや小山登美夫ギャラリーも参加するなど、ラインナップは実に多彩だ。

会場には、丁寧に作られたアートブックが並ぶブースのほか、トークイベントやサイン会、ライブパフォーマンスなどコンテンツが多数。なかでも、ここ数年特に盛り上がりを見せているのが子ども向けワークショップ。今年も、アートとの出会いが“体験”として残る、ユニークなプログラムが勢揃いする。

TOKYO ART BOOK FAIR 2024 の会場 Photo: Hajime Kato

【注目のキッズ向けワークショップ＆トーク】

ブルーノ・ムナーリの世界にふれる特別トーク「「Deconstruct, Play, Design：ムナーリとCorraini Edizioni」Francesco Costa」（12/12）
イタリアのCorraini Edizioni代表フランチェスコ・コスタが登壇。ムナーリの絵本に込められた遊び心やデザインの秘密をひもとく、親子で触れる絵本アートの魅力。

平山昌尚「お金をつくろう」（12/13）
好きな単位とデザインで“自分のお金”を作る、人気作家のワークショップ。最後は参加者同士で交換会も。創造力とコミュニケーションを刺激する1時間。

加賀美健「みんなで偽物のウンチを作って周りの人をびっくりさせよう」（12/13）
ガムテープや新聞紙を使い、本物そっくりの“フェイクうんち”を制作。ユーモアたっぷりの体験は、きっと大笑いの思い出に。

読み聞かせ会「穴のあいた絵本のお話」（12/14）
来春の「エリック・カール展　はじまりは、はらぺこあおむし」に先がけて、『はらぺこあおむし』の“穴”をテーマにしたストーリータイム。読み聞かせの後は、紙に穴をあけてカード作りも。

DASSEN「クリスマスモンスターをつくろう！」（12/20）
布やパーツを組み合わせ、手のひらサイズのモンスターを制作。アーティスト・編集者・デザイナーが率いるチームによる、創造力が弾むワークショップ。

駒形あい「のびる」（12/20）
数多くの赤ちゃん絵本を生んだ造本作家、駒形克己の代表的なプログラム。赤い三角形から物語が無限に広がる、ZINEのような造形遊び。1枚のカードからどんな“終わり”が生まれるかは子ども次第。

ポラロイド「Find your TABF──ポラロイドであなただけのTABFを撮影しょう──」（12/21）
与えられたキーワードをヒントに、自分だけのTABFを撮影するフォトワークショップ。1人1台のポラロイドカメラで、展示空間を自由に探検しながら撮影体験を楽しむ。

fuka tori「ワッツイズジン キーホルダーワークショップ」キーホルダーづくり（12/21）
アクリルや布パーツを組み合わせながら、ZINEの発想や作り方にも触れる、アイデアの種まきワークショップ。

TABFの魅力は、たくさんの本にふれながら、作品そのものだけでなくつくり手に直接出会えること。そして、親子で参加できるトークイベントやワークショップに参加すれば、本から続く新しい世界や、アートブックの“リアル”に触れられる。今年はキッズプログラムがより充実し、親子でゆっくりと楽しめる内容がさらにパワーアップ。ファミリーでアートに浸る冬の週末にぴったりのイベントになりそうだ。