写真家・戎康友が捉えたイギリスの庭。写真集『みどりの王国』発売&展覧会
写真家の戎康友と編集者・文筆家の鈴木るみこによる写真集『みどりの王国 The Kingdom of Green』(青幻舎)が8月下旬に刊行される。
もともとは雑誌『ku:nel』の庭特集。二人はイギリスのチャールストンファームハウス、ベス・チャトー・ガーデン、マンクス・ハウスなど、10ヶ所余りの名庭園を訪れ、鈴木がその庭の歴史や思想をひもといたテキストを書き、戎が庭の写真を撮影。本書はそれらをまとめた一冊だ。
「“みどりのゆび”を探しにいく」という鈴木の言葉から始まった二人の旅は数年に渡ったという。ファッション写真やアーティストのポートレートなどを中心に活躍している戎康友は、この時の撮影を〈風景写真だって、撮る人の意識次第でポートレート写真なんです。この仕事をいただいた時、仕事であまり風景写真は撮っていなかったのですが、いつも通り「ひとつのものを一所けんめい見る」ということを心がけて撮りました。〉と本誌のインタビューで語っている。フィルムで捉えられた庭のポートレートは、植物たちの息吹と庭を手入れする人の気配を感じさせる。
写真集の刊行に先立ち、東京・馬喰町「minä perhonen elävä II」では、写真展「みどりの王国」が開催している(8月12日まで)。イギリスの庭のポートレートたちを見に、足を運んでみては。