ただいま開催中! 画家・junaidaの大規模個展で、想像と空想の旅へ
思わず凝視してしまうほど細密に描かれた絵に、気がつくと吸い込まれそうになっている。不思議な国の街角や、永遠に終わりのない階段。絵の中を駆け抜ける、三つ編みの少女。
新進気鋭の画家、junaida(ジュナイダ)の描く世界は、鮮やかな色彩の中に明るさと闇が同居する。摩訶不思議でありながら、どこか完璧に整った印象だ。鮮烈な絵本デビュー作となった文字のない絵本『Michi』(福音館書店)で注目を集め、その後も、すべての文が「の」 で連なり循環する絵本『の』(福音館書店)や、近作では『怪物園』『街どろぼう』(ともに福音館書店)といった、画集のように美しい絵本が話題を呼んでいる。
そんなjunaidaの作品群が一堂に会した、自身初となる大規模個展が東京・立川の〈PLAY! MUSEUM〉にて1月15日(日)まで開催されている。「IMAGINARIUM」と題された個展は、鑑賞者に想像や体験を届けてくれる、個性豊かな展示方法が特徴。展示会場を、「交錯の回廊」「浮遊の宮殿」「残像の画廊」「潜在の間」という4章に分けて、ドラマチックな4つの異なる空間を体感することができる。
赤や金に彩られた異世界や、宮殿のような空間、闇の美しさを表した世界が演出された展示会場には、色鮮やかな原画の数々が並ぶ。本個展のための描き下ろし作品は、想像を掻き立てるような子ども三連画。さらに、彼がライフワークのように描き続ける宮沢賢治へのオマージュ「IHATOVO」シリーズ、書籍の装画や挿絵、広告のイラストレーションや、ミヒャエル・エンデの『鏡のなかの鏡』をオマージュした最新作まで、400点以上もの原画は圧巻。
展覧会期間中は、〈PLAY!〉全体が「IMAGINARIUM」に様変わり。オリジナルのミュージアムグッズが販売されるだけでなく、カフェでは、作家の絵本の世界をイメージしたランチやスイーツが楽しめる。また、子どもたちの遊び場〈PLAY! PARK〉(別料金)でも、特別ワークショップが開催中。絵本『Michi』『の』『怪物園』から着想を得た遊びで、junaida作品の世界を体験することができる。この冬休み、大人も子どもも空想の世界を存分に楽しもう。
Text: MIKI SUKA