ただいま開催中! 画家・junaidaの大規模個展で、想像と空想の旅へ

思わず凝視してしまうほど細密に描かれた絵に、気がつくと吸い込まれそうになっている。不思議な国の街角や、永遠に終わりのない階段。絵の中を駆け抜ける、三つ編みの少女。

新進気鋭の画家、junaida(ジュナイダ)の描く世界は、鮮やかな色彩の中に明るさと闇が同居する。摩訶不思議でありながら、どこか完璧に整った印象だ。鮮烈な絵本デビュー作となった文字のない絵本『Michi』(福音館書店)で注目を集め、その後も、すべての文が「の」 で連なり循環する絵本『の』(福音館書店)や、近作では『怪物園』『街どろぼう』(ともに福音館書店)といった、画集のように美しい絵本が話題を呼んでいる。

『Michi』原画(福音館書店、2018)©️junaida

そんなjunaidaの作品群が一堂に会した、自身初となる大規模個展が東京・立川の〈PLAY! MUSEUM〉にて1月15日(日)まで開催されている。「IMAGINARIUM」と題された個展は、鑑賞者に想像や体験を届けてくれる、個性豊かな展示方法が特徴。展示会場を、「交錯の回廊」「浮遊の宮殿」「残像の画廊」「潜在の間」という4章に分けて、ドラマチックな4つの異なる空間を体感することができる。

junaida 展「IMAGINARIUM」会場写真(撮影:白石和弘)

赤や金に彩られた異世界や、宮殿のような空間、闇の美しさを表した世界が演出された展示会場には、色鮮やかな原画の数々が並ぶ。本個展のための描き下ろし作品は、想像を掻き立てるような子ども三連画。さらに、彼がライフワークのように描き続ける宮沢賢治へのオマージュ「IHATOVO」シリーズ、書籍の装画や挿絵、広告のイラストレーションや、ミヒャエル・エンデの『鏡のなかの鏡』をオマージュした最新作まで、400点以上もの原画は圧巻。

「IMAGINARIUM」(2022)©junaida

『UNDARKNESS』原画(Hedgehog Books、2021)©junaida

展覧会期間中は、〈PLAY!〉全体が「IMAGINARIUM」に様変わり。オリジナルのミュージアムグッズが販売されるだけでなく、カフェでは、作家の絵本の世界をイメージしたランチやスイーツが楽しめる。また、子どもたちの遊び場〈PLAY! PARK〉(別料金)でも、特別ワークショップが開催中。絵本『Michi』『の』『怪物園』から着想を得た遊びで、junaida作品の世界を体験することができる。この冬休み、大人も子どもも空想の世界を存分に楽しもう。

『街どろぼう』原画(福音館書店、 2021)©junaida

PLAY! PARK junaida 展「IMAGIARIUM」関連企画 「空想の旅に出かけよう」

junaida(ジュナイダ)/1978年生まれの画家。2010年、京都にギャラリー&ショップHedgehog Books and Galleryを立ち上げ、Hedgehog Booksから画集『UNDARKNESS』を出版。2014年より、京都精華大学客員教授に就任。『HOME』(サンリード)で、ボローニャ国際絵本原画展2015入選。『Michi』(福音館書店)で、第53回造本装幀コンクール・日本書籍出版協会理事長賞(児童書・絵本部門)受賞。翌年に『怪物園』(福音館書店)が同賞を受賞。近著に絵本『Michi』『の』『怪物園』『街どろぼう』(すべて福音館書店)、最新刊にミヒャエル・エンデの『鏡のなかの鏡―迷宮―』へ捧げるオマージュ絵本『EDNE』(白泉社)がある。https://www.junaida.com

【展覧会概要】
junaida 展「IMAGINARIUM」
会期:2022年10月8日(土)〜2023年1月15日(日)
会場:PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟 2F)
開館時間:10:00〜17:00(土日祝は18:00まで/入場は閉館の30分前まで)
※会期中無休(年末年始休業:2022年12月31日〜2023年1月2日)
問い合わせ:042-518-9625
入場料:一般1800円、大学生1200円、高校生1000円、中・小学生800 円、未就学児無料
※割引制度や日時指定制について、詳細はウェブサイトにてご確認ください
展覧会ウェブサイト

TOP: junaida展「IMAGINARIUM」メインビジュアル(2022)©︎junaida

Text: MIKI SUKA