〈パタゴニア〉の美学が詰まった、未来の自然環境を考えた50周年コレクション
アウトドア企業〈パタゴニア〉は、創業当時の「シュイナード・イクイップメント」から、1973年に現在の〈パタゴニア〉へと名称を変更し、今年で50周年という節目の年を迎えた。創業者のイヴォン・シュイナードは、創業当時から自然環境保護の必要性を訴え、消費者に対してもいち早く真のサステナビリティを啓発し、その重要性を衣服以外においても書籍や広告、ブランドHPなどを通して説き続けている。昨年、シュイナードは〈パタゴニア〉の所有権を信託に寄付し、その利益のすべてを気候変動対策に充てることを発表したことも、大きな話題となっている。
そんな、環境危機や社会問題に対し常に前向きな姿勢を貫いてきた〈パタゴニア〉の50周年コレクションが、「ナチュラル・アイコン」だ。その名の通り、「天然素材」への転換が大きなテーマとなっている。アーカイブを彷彿とさせるベーシックなデザインで、合成繊維を極力使わずに製造されている。機能として合成繊維が必要な場合は、産業界から出たゴミを再加工したものか、漁網をリサイクルしてナイロン糸として再生したものが使われている。
キッズ&ベビー用の、キルト加工を施したオールウェア・コットン・ジャケットは、すべてジェンダーフリー。従来農法からオーガニックおよびリジェネラティブ・オーガニック農法への転換を願って、100%コットン・イン・コンバージョン(平織り)で作られている。大人のコレクションも含め、50周年すべてのコレクションはフェアトレード・サーティファイドの工場で製造。胸と背中につくブランドタグは、50周年の特別仕様のヘリテージタグだ。
Text: Miki Suka