『魔女の宅急便』に登場する小さなおてんば魔女、キキが繰り広げる冒険と青春の日々に、思わず夢中になった人も多いはず。児童文学の名作を生み出した作家の角野栄子は、1935年東京に生まれ。24歳からブラジルに2年間滞在した体験をもとに書いた『ルイジンニョ少年ブラジルをたずねて』で、70年に作家デビューした。代表作である『魔女の宅急便』は、89年にスタジオジブリ作品としてアニメーション映画化され広く知られることとなった。2018年には、児童文学の「小さなノーベル賞」と言われる国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

そんな、角野栄子の世界観を表現した「魔法の文学館」が、11月3日、東京都江戸川区の「なぎさ公園」内にオープンする。建築家・隈研吾による設計の同館は、「フラワールーフ」と名付けられた屋根が、花びらのように広がった温かみあふれるデザイン。　館内は「いちご色」をテーマカラーに、『魔女の宅急便』の舞台となった「コリコの町」を表現。キャラクターたちが登場するプロジェクションマッピングの演出や、いちご色の本棚やソファは、物語の世界に入り込んだかのよう。内装デザインはアートディレクターで、角野栄子を母に持つ、くぼしまりおが担当。

ライブラリーには、角野の著作はもちろん、角野自身が選定した世界の児童書や絵本もずらりと並ぶ。子供たちは自由に本を選び、館内はもちろん、周辺の芝生や屋上テラスなど、好きなところで読むことができる。2階のギャラリーでは、児童文学に関する企画展が半年ごとに開催予定。第1回目となる企画展は、角野が世界各地から集めた「魔女人形」コレクションなどを紹介する『魔女まじょ展』だ。会期は11月3日～2024年4月8日。

館内に設置されるカフェやショップも大充実。旧江戸川を一望できる3階のカフェでは、作品に登場するスペシャルメニューなど、この場所でしか味わえないキュートなものが多数用意されているほか、1階のショップでは「いちご色」のオリジナルグッズも多数販売される。角野作品に登場する可愛らしいキャラクターのグッズやセレクトグッズ、角野栄子が愛用するアトリエコートなど、ぜひチェックしたい。来館は、日時指定の事前予約制を導入しているため、足を運ぶ際は予め公式ウェブサイトの確認を！　

「おばけのアッチ」に登場する、ふたごのねずみの “チ”と“キ”をイメージしたサンドイッチのセット。￥1,200

表情ゆたかなリンゴちゃんがいっぱいのマグカップ。￥2,420