巨大な本棚のある「角川武蔵野ミュージアム」で、鳥たちの魅力に迫る展覧会が開催中
高さ約8メートルの巨大な本棚「本棚劇場」や、全長50メートルにわたって本の世界が広がる「エディットタウン」など、図書館、美術館、博物館の垣根を越え、あらゆる知との出会いを生み出す「角川武蔵野ミュージアム」は、好奇心の扉を開いてくれそうな特別な場所だ。

角川武蔵野ミュージアム内の「本棚劇場」

角川武蔵野ミュージアム内の「エディットタウン」
そんなミュージアムで現在開催されているのが、「鳥」をテーマにした展覧会「ワンダーバードに憧れて 鳥に取り憑かれた人々」だ。本ミュージアムのアドバイザリーボードを務める、博物学者であり、作家としても知られる荒俣宏氏が、ライフワークである『世界大博物図鑑』の編纂過程で収集した貴重な博物画コレクションが一堂に会す。

「ヒトは生物の中で一番最後に生まれた末っ子だから、先に生まれた動植物のすることを見て生き延びる方法を学ぼうとした」
「戦争の勝ち負けや都を建てる土地の選定も鳥に教えられ、ローマ建国には最初の支配者を誰にするのかの決定に、鳥占いが使われた」
と、荒川氏が語るように、古代の人々にとって鳥は単なる生きものではなく、神聖な存在として崇められ、ときに人々を導く存在でもあったようだ。

Ornithologie Brésilienne, ou, Histoire des oiseaux du Brésil : remarquables par leur plumage, leur chant ou leurs habitudes, Jean-Theodore Descourtilz, Thomas Reeves, 1852-56
会場では、神話や伝説の中の鳥から、学問として記録された鳥へと、人類のまなざしの変遷をたどる。19世紀、まだカメラのない時代に描かれた博物画には、羽毛の質感や光の反射まで緻密に表現されている。なかでも、ハチドリの輝きを再現するため、金箔を用いた独自技法を生み出したジャン=バティスト・オードベルの作品は必見。科学への探究心と、美しさへの憧れが生み出した“執念の芸術”は、圧巻だ。

『黄金の鳥、あるいは金属の光沢』(1802-05)
フランソワ・ルヴァイヤン『フウチョウの自然史』や、ジョン・グールド『ハチドリ科鳥類図譜』など、19世紀を代表する博物図譜の数々に加え、剥製や関連書籍も展示。鳥かごをイメージした空間には、図書、美術、博物が混ざり合う“驚異の部屋”が広がる。

遠い昔から人々を魅了してきた、色とりどりの鳥たち。ページをめくるようにその世界を旅することで、高らかなさえずりまで耳に届いてきそうだ。夏休みの親子のお出かけ先に、ぜひ加えてみては。


【展覧会概要】
ワンダーバードに憧れて 鳥に取り憑かれた人々Birds: Fascinating Creatures, Marvels of Nature
会場:角川武蔵野ミュージアム4階 荒俣ワンダー秘宝館
会期:2026年4月18日(土)~2026年9月28日(月)
休館日:毎週火曜日、6月1日(月)~5日(金) ※ただし5月5日(火・祝)、8月11日(火・祝)、9月22日(火・祝)は開館
開館時間:10:00~18:00(最終入館17:30まで)
チケット(角川武蔵野ミュージアム全体の入場が可能): 一般¥1,400、中高生¥1,200、小学生¥1,000円、未就学児無料
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画像提供:角川武蔵野ミュージアム
Text: Miki Suka