光をまとうプリーツを写し出す。写真家マーク・ボスウィックの特別展が開催
〈HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE〉が2026-27年秋冬シーズンのテーマに掲げた「In a New Light」を軸に、イギリス人写真家マーク・ボスウィックによる特別展「Mark Borthwick: Something Out of Nothing Into Everything」が、7月28日(火)まで、ISSEY MIYAKE GINZA|CUBEで開催中。

本展は、ブランドが今季探求した「光」と「プリーツ」の関係を、ボスウィックならではの詩的な視点で再構築する試みだ。光を受けて浮かび上がる布の凹凸、風に揺れるプリーツが生み出す透明感、人の身体によって現れる陰影。日常着であるプリーツの衣服を、自然現象そのものとして捉え直した、ドラマチックな光景が広がる。

Photo: Mark Borthwick
会場では、本展のために撮り下ろされた写真作品に加え、プリーツの動きや光の移ろいを映像で表現したインスタレーションも上映。さらに、写真に手書きの詩を添えて綴じた冊子も公開される。ボスウィック自身がディレクションした展示空間は、彼が日々制作を行うアトリエを思わせる構成となっており、写真家の思考や創作のプロセスに触れながら、その幻想的な世界観を体感できる。


ファッション写真の枠を超え、アートとしての写真表現を切り拓いてきたボスウィック。光漏れや独特のピント、高彩度の色彩が織りなす作品は、1990年代以降のファッションビジュアルに大きな影響を与えてきた。衣服を「着るもの」としてではなく、光と身体、自然が交差する現象として見つめる今回の展示は、〈HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE〉のものづくりとも深く響き合う。

Photo: Mark Borthwick
写真、映像、言葉、そして空間。複数の表現を通して、「光を見る」のではなく、「光を感じる」体験へと誘う、没入感に満ちた展覧会だ。

Photography: Jules Muir
マーク・ボスウィック
1962年ロンドン生まれ。メイクアップアーティストを経て写真家へ転身し、1984年にパリへ移住。光漏れや柔らかなピント、鮮やかな色彩を用いた独自の表現で、ファッション写真とアートの境界を越える作品を発表してきた。『i-D』『The Face』『Purple』などの誌面を通じて写真表現に新たな潮流をもたらし、2009年に初の作品集『Not In Fashion』、2025年には初期のポラロイド作品をまとめた『Out of Date』を刊行。現在はポルトガルを拠点に制作を続けている。
マーク・ボスウィック特別展
「Mark Borthwick: Something Out of Nothing Into Everything」
会期:2026年7月1日(水)〜7月28日(火)
時間:11:00〜20:00
会場:ISSEY MIYAKE GINZA|CUBE(東京都中央区銀座4-4-5)
入場無料
TOP: Photo: Mark Borthwick
Text: Miki Suka