エルメス財団「スキル・アカデミー」、春休みのワークショップ参加者募集
伝統技術を受け継ぐサヴォワールフェール(職人技)を大切にする、フランスのメゾン〈エルメス〉。いつの時代も本物を追求し続けるこのメゾンを母体として、2008年にパリで発足した「エルメス財団」は、芸術や技術伝承、環境問題、教育活動などに関わるプロジェクトを展開している。
国内外のさまざまなアーティストによる個性あふれる展覧会も注目されているが、学際的な学びのプラットフォームとしてスタートしたワークショップである「スキル・アカデミー」は、これからの未来を生きる若者たちに素晴らしい学びのチャンスを提供している。「スキル・アカデミー」が目指すのは、自然素材にまつわるスキル(職人技術や手わざ)の伝承、拡張、知識の共有。人工知能には代替えできないような、人間独自の能力を研ぎ澄ます学びの場。
この春には、中高生向けのワークショップ「スキル・アカデミー 土に学ぶ、五感で考える」が開催される予定だ。「土」をめぐる5つのワークショップの中には、森林昆虫生態学者と共に土の中の生き物たちと出会うプログラムや、縄文土器を製作しつつ、土器を使ったアフリカの暮らしを知るプログラム、土と料理の関係性を知るプログラム、さらに、大地をテーマにした芸術活動や、土で建てる建築に触れる活動など、どれも興味深いものばかり。
それぞれに、魅力的な専門家らが講師として参加し、「土」をテーマにさまざまな目線でワークショップが繰り広げられる。〈エルメス〉ならではの豊かなものの見方は、子どもたちに多角的に考える力や探究心を投げかけてくれるはずだ。
TOP: © Akihiro Itagaki / Courtesy of Fondation d'entreprise Hermès
Text: Miki Suka