4月12日（火）より原宿SPACE BANKSIAにて、写真家・菊地史のインスタレーション写真展が開催中。表現したかったものは「変わり続ける生」だという。
ファッションを中心に雑誌や広告などのジャンルで撮影しながら、菊地史は写真集『パーマネント・バケーション』を制作。映画『エンドレスサマー』とジム・ジャームッシュの映画『パーマネント・バケーション』からインスピレーションを受け、「物の考え方、見方を変えてみよう」という試みから生まれたものだ。
「私は、いつもカメラで写すものに対してピントを合わせて、被写体が際立つように撮っています。では意図的にピントを合わせなかったら、いつも見ている景色はどうなるのだろうか、世界はどう見えるのか。あえて自分の生活圏内で日常を撮り始めました。撮り始めると、高揚感と今まで感じたことのない感情が湧き出てきました」（菊地）

本人が「飴玉のようにやわらかく色彩と光が踊るように輝く不思議ななんとも言えないものが写っていた」と表現する作品は、ピントをずらして抽象的に写した身近な日常風景を、水や光のゆらめきを使い、再び撮り直し、再構築し直して生まれたもの。見る人に委ねられ、見るたびに新たな発見があるように感じられる。
「ルールや決まった形も大切だけれども、自分の価値観で世界を見ることで、可能性は無限にあるのだということを子どもたちにも感じて欲しい」と菊地。親子で鑑賞し、それぞれの目に見えるものや膨らむイメージを語り合うのも、きっと楽しく素敵な時間になるはずだ。