おこさま人生相談室 第23回-小林エリカ

おとなのお悩み

我が家の犬は15歳のおじいさんで、夜泣きします。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、まあちゃんさん8歳です。浅田真央ちゃんを見て憧れて、4月からフィギュアスケートをはじめたまあちゃんさん。ザギトワ選手は6歳から一生懸命にやったそうなので、いまからやったら間に合うかなって思ったそう。羽生選手みたいにすごくきれいで素敵な滑りをするのが夢です。

おこさま紹介

お名前: まあちゃん
年齢: 8歳
生まれた場所: 東京
住んでいる場所: 世田谷
好きな食べ物: チーズ
嫌いな食べ物: オリーブ
これまでの人生で楽しかったこと: 家族で旅行いったこと ハワイいった
これまでの人生で哀しかったこと: おばあちゃま死んじゃったこと
得意なこと: 絵をかくこと
苦手なこと: なんだろ・・・・わたし・・・・
好きなこと: 友だちとあそぶの おにごっことかするの
将来の夢: ふたつある ひとつはフィギュアスケートの選手 もういっこは秘密

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
まあちゃんは、空想のことを現実にありそうに言って笑わしてくれる。それがとても楽しくて愉快!一緒にいるとたくさん笑っちゃう。誰とでも友達になっちゃいそう
(お友達の莉子さんより)

(まあちゃんさん、以下M)

さて、今回のおとなのお悩みは?

Q 我が家の犬は15歳のおじいさんです。目が見えず、昼と夜がひっくり返って、夜泣きします。もう半年くらい、熟睡したことがありません。どうしたらいいでしょう。
(じいじさん 70歳 東京都在住)

M えー、まって、えー。おじいさんで、目が見えなくて、怖くてないちゃうの?

──そうですね。犬は目が見えなくて、怖いのかもしれないですね。

M なんか、しんぱいなのかも。なんか、あと、ひとりでいるのが、さみしいのかも。外にいる?

──じいじいさん、半年くらい熟睡したことがない、とあるので、家の中にはいるみたいですね。

M いっしょにねてる?

──どうでしょうか・・・・それはわかりません。

M えー、あの、なんか、え、かってくれてる人が、まわりにいないのかと思って、助けてってなってるのかも。さみしくって。だから、あの、うーん、なんか、ちかくにいて・・・・・・・・耳はきこえない?

──耳は聞こえそうですね。

M じゃあ、さいしょに声かけて、ねるよー、みたいにいってあげて、寝たら、ちょっとは安心して寝てくれるのかも。

──なるほど、目が見えないから近くにいることや、寝ることを、声で伝えてあげればいいのですね。

M えー、まって、まって。えっと、どうすればいいんだろ。かってる人がねれないの?

──そうですね。犬も眠れないようですが、このじいじさんも半年くらい、よく眠れていない、ということですね。

M ないちゃってんのか。

──犬はないちゃってるみたいです。

M なんか、早めに寝るたいせいにさせてあげて。寝るまで、なんか、その犬が好きなこと、癒やされるみたいなことをしてあげたら(犬が)眠って、その人も眠れるかもしれない。

──なるほど、犬が寝るまで好きなことや癒やされることをしてあげれば、確かに犬も安心できそうですね。

M なんか、怖がらないかんじに、寝るところにいかせて。背中とんとんしてあげたらいいかな。

──背中とんとん。

M そのわんちゃんが眠れたら、その人もすぐ眠れるかもしれないし。それでもないちゃったら、すぐに大丈夫だよって声かけてあげたら、また、すぐ寝るかな。


(まあちゃんさんによる処方箋画)
わんちゃんが、飼い主さんになでなでしてもらって、気持ちよくなってて、夢の中でお庭で遊んで、安心して眠ってる絵

じいじさん、いかがでしたか?
さみしくて、怖くて、助けてってなっちゃってるのを、安心させて、大丈夫だよって声かけてあげたらよいそうですよ。
犬も、じいじさんも、どうか、夜、よく眠れるようになりますように。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。


背中とんとん

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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネームと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

作家・マンガ家。新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。
著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1~3巻(リトルモア)などがある。