おこさま人生相談室 第24回-小林エリカ

おとなのお悩み

遠優しくしなきゃとは思ってはいるのですが、仕切り屋の母にイライラしてしまいます。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、なずなさん、もうすぐ7歳です。明日は公園でピクニックバースデーパーティーをする予定。ケーキはサーティーワンのミニヨンズのアイスケーキに決めました。小学校一年生になったときからネットフリックスで「バービー:ライフ・イン・ザ・ドリームハウス」を観はじめて、バービーが好きになったそう。

おこさま紹介

お名前: なずなさん
年齢: ほとんど7歳
生まれた場所: 東京
住んでいる場所: 東京
好きな食べ物: ごはん
嫌いな食べ物: おやさい
これまでの人生で楽しかったこと: 英語の学童で家族ごっこして遊んだのがたのしかった
これまでの人生で哀しかったこと: けんかしたこと
得意なこと: 英語
苦手なこと: わかんない
好きなこと: 学童のワーク
将来の夢: バンビーニ(通っていた保育園)の先生になること

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:

なずなは7歳の女の子。保育園で出会った1歳のときから、今もずっと友達。彼女はとっても可愛くてスマート。彼女と一緒に遊ぶととっても楽しいんだ!
(お友達のRoyさんより)

(なずなさん、以下N)

さて、今回のおとなのお悩みは?

Q 母が近所に住んでいて、しょっちゅう会うのですが、顔を合わせるたびに喧嘩ばかりしていまいます。子供の面倒を見てくれたりと、色々手伝ってくれる母なので、優しくしなきゃとは思ってはいるのですが、仕切り屋の母にイライラしてしまいます。どうしたら、優しい気持ちで母に接することができると思いますか?(あっこさん 38歳 横浜市在住)

N うーん。どうして、けんかをする・・・・なんかやなことがあったり、なんかやってほしくなかったのに、やっちゃったことがあったのかも。

──お母さんがそうしてしまった、ということでしょうか?

N どっちかがそうしちゃったのかも。

──なるほど、あっこさん、お母さん、どちらかがそうしてしまって、おたがい、けんかのようになってイライラしてしまうのかもしれない、ということですね。そんなときには、どうしたらいいでしょう?

N どうして・・・・なんで?っていう。

──いやなことがあったら、ちゃんと、なんで?と聞いたり話し合ったりしたほうがいい。

N なんでやんないでっていってもやっちゃったか、聞きたい。

──具体的にいやなことがあった場合には、効果的かもしれないですね。

N なんか会ったときに、最初からもうけんかしそうだなっておもったら、ごめんなさいっていえばゆるしてくれるかもしれない。

──会ったときに、すでにイライラしてしまっていたら、謝った方がいい?

N 一回目に会ったときにも、二回目にもけんかしちゃって、三回目にもけんかしちゃってたら、もうけんかはやだから、ごめんなさいっていったほうがいいなって、かんじて。

──なるほど、会うたびにイライラしてけんかみたいになってしまうようだったら、一度ちゃんと謝ったほうがいいということですね。ところで、やっぱり手伝ってくれるお母さんには、本当はありがとうって、おもわないといけないんでしょうか?

N 頼んでないのにくるの?

──どうでしょう。

N 頼んでないのにいるなら、なんで、いるのってびっくりしちゃう。

──確かに。

N 自分でやりたかったりするかも。だって、ともだちの二年生が手伝いたいのに、ママがやらせてくれないっていってた。

──もしかしたら、あっこさんは、本当は自分で色々やりたいのかもしれないのに、お母さんが手伝いすぎて、やらせてくれないのかもしれないですね。

N それか、なんか、いまから使うものだったのにしまっちゃったり、ゴミだとおもって捨てちゃったり。

──なるほど、ありえそうですね。もし、そうだとしたら、どうしたらいいでしょう。

N なんか、メールとか、お手紙とかで、手伝おうかってきいて、手伝ってほしいとか、お願いってかいてあったら、来たりするけど、大丈夫っていわれたら、我慢したり他のお友達の家にいったりとか。

──そうですね。でも、手伝っては欲しいけれど、イライラしてしまうってこともありそうですね・・・・。

N まだ子どもだった頃に戻りたくって、そうやっちゃうのかもしれない。

──つまり、お母さんはあっこさんが子どもだった頃のように振る舞いたいし、あっこさんも自分が子どもだった頃のようにワガママいったり甘えたりしたい、ということでしょうか。

N そう。

──おたがい、おとなになるためにはどうしたらいいのでしょうか?

N まだ子どもだった時の写真を見せたり、理由をきく。

──理由をきく?

N たとえばどうして、手伝ってっていってないことまで手伝っちゃうのかとか。

──やはり話し合いですね。でも、話し合いがやっぱりうまくいかない場合にはどうしたらよいのでしょう?

N お家とか、そんなによく会ったりしないように、ちょっとだけ遠くに住んだりする。

──よく会ったりしないとよいのでしょうか?

N ちょっとわすれちゃったり、悲しくなっちゃったりしちゃうけど、けんかしちゃうなら、それをしたほうが、ちょっと落ち着いて、もうごめんなさいがいえそうとか、理由がいえそうとか、って思ったら戻ればいいから。


(なずなさんによる処方箋画)
けんかしてすぐに会ってしまうとドキドキしちゃうから、もうちゃんと話し合いが絶対できるって思ってから戻れば仲良くできる。

あっこさん、いかがでしたか?
本当はみんな、まだ子どもだった頃に戻りたいのかもしれませんね。
いちど話し合いをしてみましょう。
それでもだめなら、よく会ったりしなくするのがよいそうです。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。


子どもだった頃に 戻りたくって

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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネームと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

作家・マンガ家。新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。
著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1~3巻(リトルモア)などがある。