移ろう空を背に、果物や野菜を肩と顎の間でそっと支える子どもたち。その何気ない姿に宿る微細な揺らぎを追いかけてきた写真家 横浪修の新作展「AFTER PRIMAL」が、11月20日（木）から「BOOK AND SONS」で始まる。

横浪が見つめてきたのは、生まれながらの自然さと、子どもたちの中にゆっくりと生まれる自己への気づき。そのあいだにある小さな変化を、これまでも丁寧に追いかけてきた。本作では、幼い頃にだけ見られる無垢さから、少しずつ自分を意識しはじめる時間までが、やわらかく写しとられている。

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前作「PRIMAL」では、子どもたちは無意識にレンズへ視線を向け、いたずらっぽさや深い静けさなど、さまざまな表情を見せていた。肩に果物を挟むというシンプルな行為は、自然体のまま立つ彼らの姿を引き出すきっかけにもなっていた。
そして5年が経ち、再び同じ空の下に立つ彼らを撮ると、ほんのわずかな変化が見えてくる。手の添え方はより確かになり、視線の奥には静かな意志が灯る。子どもであることに変わりはないのに、その奥に“自分”を感じはじめる輪郭が、そっと浮かび上がってくるようだ。

会期中の12月6日（土）と7日（日）には、お子さま撮影会も開催。横浪の世界観に触れながら撮影してもらえる特別な機会となる。
写真の奥でそっと重なっていく時間。言葉にできない成長の気配を、ぜひ会場で感じてみてほしい。