「マニキュアは、遊びながら自己表現できるオシャレへの道」ガエル・ルブラ・ペルソナージュさんインタビュー
〈manucurist〉はヴィーガンネイルブランドとして、マニキュア=ケミカルという概念を覆してくれました。ブランド立ち上げから8年が経ちましたが、当時どのような思いでブランドをグリーンな方向へと導いていったのですか?
両親が1996年に創業したネイルケア事業を継いだのですが、当時私の母は、パリにネイルサロンを5軒経営し通常のジェルネイルを扱っていました。私が家業を継いだ当初から、植物由来の成分で人にも環境にもやさしい何かクリーンなものを提供したいと思っていました。当時はまだ、マニキュアにグリーンやクリーンといったコンセプトは、懐疑的で受け入れられなかったのですが、まずはプロの世界に植物由来で作ったマニキュアを提供したい大きなチャレンジに踏み出したんです。
あるパリジェンヌが、「ネイルポリッシュをしないことは裸でいることと同じだ」と言うのを耳にしたことがありますが、ガエルさんにとって、マニキュアをするということはどのような意味を持ちますか?
手元のオシャレであるマニキュアを通じて、自信を持って欲しいという願いがあります。マニキュアをすると、どこか満たされたような気持ちになりますよね。シンプルで自分でもできて、それが安全なものでさらに環境にもやさしかったら、その満足感はより一層増えますよね。ネイルって自分のためのものだから、毎日の生活に自信を持てるようになるものであればいいなと思います。
子ども向けの〈petite manucurist〉は、どのようにして誕生したのですか?
小さな女の子が、マニキュアをするママの横で「ねえママ、私にもつけて!」というシーンがよくありますよね。私たちはネイルカラーのスペシャリスト集団として、母親と子どもが一緒にできる楽しみを実現したいと思ったのが始まりです。植物由来の安全な成分のみで作られていて、石鹸と水で簡単にオフできるマニキュアは、子どもたちが楽しいと思う色をラインナップしました。メイクだと一気に大人っぽくなってしまうけれど、マニキュアはお絵描き感覚で自分でもできますから。
子どもが飛びつきそうな色ばかりで、動物が描かれたパッケージもとてもかわいいですね。
〈petite manucurist〉の色やパッケージ、ブラシの使い心地などは、当時10歳だった私の長女と一緒に考えました。「うさぎのロージー」はピンク、「ネコのキキ」はオレンジ、「ユニコーンのリリー」はパープル。架空の生き物に名前をつけて、それぞれに似合う色をイメージしていくのは、娘のアイデアなんです。その長女はもう17歳になって、「ママ、私は本物のが欲しい!」って言っていますけど(笑)。
プライベートでは5人のママだそうですね! ビジネスと子育ては、一体どんなふうに両立しているのですか?
そうなんです、本当に毎日が慌ただしくて! 5人の子どものうち、2人は夫の連れ子で、17歳の長女、15歳の女の子がふたり、13歳と6歳の男の子です。44歳で一番下の息子を出産したのですが、その当時は、ビジネスと私生活の両立なんて絶対うまくいくはずない……と思っていましたが、何とかなっていますね(笑)。ママとしては、一人ひとりの毎日をちゃんとオーガナイズすることを目指しているのですが、忘れることもたくさんあって。でも子どもたち同士で一緒に遊んでくれることも多いし、私が何より誇らしいのは、彼らは強いつながりを持っていることです。私が時に、「やめなさい!」と叱ろうとすると、別の子が「なんでママそんなこと言うの!」と言ってくることがあるんです。子どもたちが再構成された家族は、時に複雑な状況もあったりしてお互いチャレンジの連続ですが、彼らは本当にいい関係性を築いていると感じています。
ティーンエイジャーの娘さんたちとはファッションやオシャレの話もよくされますか?
そうですね。ティーンのファッションの話題は楽しいことばかりではなくて、それぞれの年齢でこだわりが強いから、時には大変でもあります。特に13〜15歳の女の子って、コミュニケーションを取ることが大変で扱いが難しい時期かもしれませんね。最も繊細な年頃ですから、理解したり、ダメと言ったり、許したり……を繰り返しているような感じです。ティーンの子育ての苦労は、全世界共通なのかもしれませんね。
日本の学生の女の子は、校則が厳しかったり世間の目があったりと、ネイルをはじめとした自由なおしゃれがなかなかできなかったりします。フランスの女の子たちはどうですか?
日本は伝統的な文化を重んじる国ですから、学校の制服や持ち物も決まっていたりしますよね。そこはフランスとは違う部分で、フランスの子は割と早いうちからファッションやビューティで自分を表現する自由があるように感じます。でも時に、表現しすぎることも問題にもなります。ママ友と話すのは、子どもたちが何に興味があって、何を着ているかを、親がちゃんと見てあげて時にはアドバイスをしなくてはね、と言うことなんです。
子どもたちのファッションやヘア、ネイルなどのおしゃれに、フランスの親たちはどこまで口を出すのでしょうか?
娘がそれを着たかったなら、それでいいじゃない! と思う自分もどこかでいるので、葛藤もあります。だって、着たい服を着て、自分自身を表現することは素晴らしいことだと思うから。でもやっぱり子どもたちは外に出れば、“いまだに”男性の目にさらされる場面も多いから、「気をつけないといけないね」という親の助言は、まだ今の時代には必要なのかなと感じています。
若い彼らが、髪を染めたり、過剰に露出したり着飾ったりという姿を見ると、「そのままで美しいのよ」と言ってしまうときもあるし、一方で自己表現として肯定したい部分もあります。子どもには反抗される時もあるけれど、時には「ママの言う通りだったわ」と言われる時もある。ファッションにおいても、子どもは経験しないとわからないことがあるんですよね。すべてに干渉するのではなく、コミュニケーションを絶やさぬよう、続けることが大事だと思うんです。現代の子どもたちは、やることも選択肢もたくさんありますし、学校や親などからの、たくさんのプレッシャーを抱えてもいますから。
着飾ることとナチュラルでいることは、時に相反するものですが、ガエルさんが大切にされている、自然であることとオシャレのバランスを教えてください。
いまのオシャレには、2つのトレンドがあると思っています。ひとつは、「Less is more=少ない方が豊か」という考え方。ノーメイクアップスタイルみたいなことですが、考え方によってはそれもまた洗練されたスタイルを作っているわけです。ヘルシーでナチュラルな見た目に代表されるトレンドですね。もうひとつは、「Too much=盛る豊かさ」です。色もテクスチャーも、フォルムもさまざまものを身につけて、華やかで豊かなイメージです。蛍光色などを用いたり、色をミックスして遊んでしまうような感覚で、時には顔をペイントしたりと、どんどん盛っていくようなトレンドです。
そういう二極化されたオシャレの中で、私が大切にしたいのは、両方のトレンドをうまく取り入れることで、自分のポジションを作ること。〈manucurist〉のネイルで楽しめるネイルアートでは、それがすごく役にたっていると思います。シックなものもあれば、時には「Too much」の世界を取り込んでいます。ファッションは、あまり真面目すぎないで、楽しむことが大事ですから。
近頃は、女の子だけでなく男の子もマニキュアをすることがありますね。男の子のマニキュアについては、どのように捉えていますか?
世界中で、男の子たちもネイルを楽しむようになってきていて、ネイルは女性だけのものではなくなってきていると私も実感しています。1年半ほど前には、〈manucurist〉も男性向けのマニキュアを作りました。ダークネイビーや白、黒、茶なども人気ですし、ネイルを通じてフェミニンさを表現したい人もいますね。当初、男の子がネイルをする画像をインスタに載せたときは否定的なコメントもありましたが、ジェンダーフリーという考えもサポートしていきたいですし、とにかく“自分らしくあること”が大事だと発信したいと思っています。マニキュアは、ビューティの中でも、最初にできる自己表現のひとつなのですから。
母になると、忙しさや時に安全性からもマニキュアから離れてしまう女性も多いようです。植物由来成分のマニキュアなら、小さな子どもがいるママでも楽しめますね?
ママたちに伝えたいことは、自分自身にかける時間がすごく大事だということ。働く女性、子育てをする女性なら、1日24時間では足りないほどやることが多くて自分のことを後回しにしがちです。でも週末の数十分だけでいいから、ネイルをケアする時間を持つことで、その間は自分だけのことを考えられる、自分を大切にできると思うんです。私自身も週末の数十分だけは私だけの時間を持つようにしていて、自分でネイルをして、インスタにアップしたりして楽しんでいます。
〈manucurist〉から読者プレゼント!
ヴィーガン・クルエルティフリーのネイルポリッシュ「green」からガエルさんも愛用のレッドチェリー1本と、石鹸と水で簡単にオフできる子どものためのマニキュア「petite manucurist」の新色セットを組み合わせて(上写真)、3名様にプレゼント。
応募は、MilK MAGAZINE JAPONのインスタグラムをフォローいただいたうえで、こちらの編集部宛にメールをください。
メールのタイトルは「マニキュリスト応募」とし、「お名前」「インスタグラムアカウント名」「送り先住所」を明記の上、ご応募ください。
締め切りは8月10日(木)です。
※プレゼントの当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。
※応募・抽選・発送に伴う個人情報の管理・運用については当社のプライバシーポリシーに基づき実施されます。
text:Miki Suka