おこさま人生相談室 第67回-小林エリカ

おとなのお悩み

緊張すると気持ちが悪くなります。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、蘭さん8歳です。
妹の芽さん(5ヶ月)が産まれたときと寝返りできたときには感動して泣いちゃった、という蘭さん。現在はバレエのコンクールに出場するため週4回の練習をしています。コンクールではバレエ『リーズの結婚』から「リーズのヴァリエーション」を躍る予定。

おこさま紹介

お名前:蘭
年齢:8歳
生まれた場所:愛知
住んでいる場所:東京
好きな食べ物:そうめん
嫌いな食べ物:たまねぎ
これまでの人生で楽しかったこと: 保育園の友だちたちと神奈川のホテルにいったこと キャンプにいったこと
これまでの人生で哀しかったこと:おばあちゃんの猫(黒くてみゃあみゃあ鳴くロシアンブルーの「ミンク」)が死んじゃったこと
得意なこと:バレエ
苦手なこと:芽ちゃんと遊ばないことが苦手
好きなこと:バレエすること
未来の夢:パティシェになって世界にひとつもないくらい派手なケーキとか美しいケーキをつくるか、もし上手になって大人までバレエ続けて上手だったらバレリーナになりたいと思っている

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
お絵描きが上手で、周りに気が配れる優しい蘭ちゃん! いつも周りにお友達が沢山。妹ちゃんが産まれて、ますますお姉さんっぷりに磨きがかかってます。
(お友達のとわっちのママ・パパより)

さて、今回のおとなのお悩みは?

Q
緊張すると気持ちが悪くなります。緊張した時、どうしたらいいですか。
(せきさん 40歳 東京在住)

(蘭さん、以下R)
R 深呼吸とか。あと、2年生のとき、人がじゃがいもって思えるようにしたら、あ、じゃがいもだ、なんでもないんだって、(人まえでも)ぺらぺらしゃべるようになった。

──蘭さんは緊張することがありますか?

R 小学校じゃなくて、バレエのとき。手をあげると、みんないっせいに見るから、緊張する。

──緊張して気持ちが悪くなることもありますか?

R 気持ち悪くなったことはない。でも、あってないことだと、悔しい。

──手をあげて、答えが間違ってしまったら悔しいということですね。

R 算数とか、もし手あげてあってなかったら、もじもじしないで、「あ〜間違えちゃった〜」とかはぐらかしたり、笑ったりするのが、いいと思う。

──間違ってしまうことを心配せず、もしも間違ってしまっても、笑ったりできるようになれば、緊張もやわらぎそうです。

R 家に帰ったりしたらリラックスしたり甘いもの食べたりするといいと思う。

──緊張して気持ちが悪くなってしまったら、家に帰ってからリラックスしたり甘いものを食べるのがよいということですね。

R チョコとかソフトクリームとか。体重関係している人は、ビスケットとか果物とか。果物とか食べるとジューシー。いちごとかサクランボとかマスカットとかぶどうとか。

──なるほど。

R いっせいに(緊張したり気持ちがわるくなってしまうことを)治せ! じゃなくて、眠いときとかに寝たらなくなるかもしれないし。

──寝たら緊張もなくなるかもしれない。

R あとはお花。きょう、お花さすやつで(注:小学校の子ども教室でフラワーアレンジメント体験があった)ラベンダーの香りをかぐとリラックスして眠れるってあったから、ラベンダーかぐといい。

──蘭さんはコンクールでは緊張すると思いますか?

R コンクールとかだったらみんなが100人ぐらいいるから。
3位とか、8位とか、1位とかあるから。結果があって賞状が貰える。3位より下だったら四角いやつ、1位とか2位とか3位だったら金メダルとか貰えるかも。

──観客や審査員も大勢いて、結果によっては順位や賞もある。

R じゃがいもと思えば(緊張)しなそう。

──ところで、どうしてじゃがいもには緊張しないのでしょうか。

R 目がないから。でこぼこだから。ちっちゃいじゃがいもだと思って、ひとりで踊ってると思えばいいし。ママには緊張しなかったら、ママはじゃがいもじゃなくてもいいし。

──ちなみに、じゃがいもと思えるようになるコツを教えてもらえますか?

R 深呼吸して、「じゃがいもだ、じゃがいもだ」ってずっと心の中で思えば、だんだん顔がじゃがいもにみえてきて、全体がじゃがいもに見えてきたりするから。

(蘭さんによる処方箋画)

話している時、みんなじゃがいもと思えば緊張しない絵

せきさん、いかがでしたか?
人はみんなじゃがいもです。
「じゃがいもだ、じゃがいもだ」って心の中で思ってみてください。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。

じゃがいも

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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネームと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

近著はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。他の著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1〜3巻(リトルモア)など。