おこさま人生相談室 第41回-小林エリカ
おとなのお悩み
イライラが抑えられません。
今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、環太さん6歳です。運動会は楽しかった・・・・というより大変だった、という環太さん。玉入れをしたり、ダブルダッチの技を披露したりしたそうです。徒競走では、練習で一番早かったふたりのうちのひとりに、はじめて勝ったとか。
一番好きな神様は風神と雷神です。強さや風や雷に憧れるから。
おこさま紹介
お名前:環太さん
年齢:6歳
生まれた場所:大阪
住んでいる場所:仙川
好きな食べ物:りんご
嫌いな食べ物:おもいつかない
これまでの人生で楽しかったこと:全部
これまでの人生で哀しかったこと:ない
得意なこと:まえまわり(鉄棒)
苦手なこと:さかあがり(鉄棒)
好きなこと:走る
将来の夢:魔法使い、空手の先生、プラネタリウムを作る人
おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
難しい空手の稽古でもあきらめずに前向きに努力が出来る子。
(空手の市川先生より)
かんちゃんは、とにかく探究心がすごい!そして、わかったことや自分で考えたことや思ったこと上手に説明してくれます。そんな素敵な男の子!
(お友達のママ あゆみさんより)
(環太さん、以下K)
さて、今回のおとなのお悩みは?
Q イライラが抑えられません。子どもにそれが伝染してしまっているかように子どももすぐにカッとするようになってしまって…。
(ミントさん 45歳 岐阜在住)
K イライラしないことをへらすとか。
──イライラしてしまうことを、へらすようにする、ということですね。
K なるべく、イライラを、しないことをおぼえたり、イライラさせないことを、なるべくしなかったりする。
──環太さんは、イライラすることってありますか?
K ない。
──どうしてイライラしないでいられるのでしょう?
K ぼくはいつも、挑戦とかしてて、挑戦が楽しくて、イライラをわすれたりして。
──挑戦をするとイライラをわすれられるのですね。ちなみに、どんな挑戦をしているのですか?
K いっぱいありすぎて、いえないくらいかな。
──では、3つほど教えていただいてもいいですか?
K 体操、プール、おえかき。プールはちょっと苦手なんだけどやるとたのしくて、体操はやること違うとかいわれるけど上手とかもいわれるからたのしくて、お絵かき教室はだいたいぜんぶが楽しくて、人少ないんだけど先生とか喋ってくれるし、粘土とかたのしくて。
──環太さんにとって挑戦というのは、いったいどんなことなのでしょう?
K ぼくは挑戦が楽しそうだからやる。なんか怖いけどやってみたら楽しいとか。
──では、ミントさんも何か挑戦してみたら、イライラを抑えられるようになりますか?
K そうかも。
──ミントさんは自分のイライラが子どもにも伝染してしまっているのではないか、というのも心配しているようですね。まわりのおとながイライラしていると、それが環太さんに伝わってしまうことはありますか?
K ない。
──では、ミントさんのお子さんがカッとしてしまったときにも、やっぱり挑戦をすすめてあげればよいのでしょうか?
K イライラを抑えられる。
──そうして挑戦しているうちに、イライラを忘れることもできるのですね。
K 忘れちゃう。
環太さんによる処方箋画
カメをさわったとき(挑戦だった)。
ミントさん、いかがでしたか?
挑戦をしてみましょう。
イライラが伝わることを心配しないで、ミントさんも、ミントさんの子どもさんも、一緒に挑戦しましょう。
挑戦をしているうちに楽しくなって、イライラも忘れてしまうそうです。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。
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小林エリカ
作家・マンガ家。新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。
著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1〜3巻(リトルモア)などがある。