彫刻家、土屋仁応の個展「動物と人」が開催

MilK MAGAZINE JAPON no.46のART企画にてご紹介をした、彫刻家の土屋仁応。異次元のリアリティが詰まった土屋の彫刻作品は、見るものを心を映し出すような不思議な力がある。そんな彼の最新作が見られる個展「動物と人」が、5月17日(金)より銀座の「メグミオギタギャラリー」にて開催される。象徴的な動物像や、形のない想念を生き物の姿として具現化する土屋らしい作風がさらなる展開を見せる。

仏像制作と同様の技法を用いて、木彫りの作品に水晶やガラスの目玉を採用し、本当に生きているかのような生命感を感じさせる土屋ならではの作品。この度の個展では、人物像を交えた木彫の新作を発表する。動物と人間との不思議な距離感や、「人間とは何か」という普遍的な問いかけにも向き合わせてくれるものになりそうだ。

人魚, 2024, 123 x 43 x 23 cm, Painted camphor wood, borosilicate glass (eyes and object in hand by Fukuo Tanaka), acrylic support

古代から形作られ、継承されてきた動物と人間の像について、作家は次のようなメッセージを残している。
「人の部分が人間の自我や理性、動物の部分が人智の及ばないものを象徴し、それらの関係を表したもののように思います。さらにいえば、自然界と文明社会との調和を表しているようにも思います」(土屋)
広がり続ける土屋仁応の表現力を、個展にてぜひ、目の当たりにしたい。

土屋仁応/彫刻家
1977年神奈川県出身。東京藝術大学美術学部彫刻家卒業。同大学院文化財保存学彫刻修士課程修了、同博士課程修了。卒業・修了制作が共にサロン・ド・プランタン賞を受賞。2018年、第9回円空大賞受賞。自身の作品集に2012年『聞耳の森』、2022年『進化論』(ともに求龍堂)がある。2021年には熊野古道なかへち美術館(和歌山)にて個展が開催されるなど、国内外で人気と評価が高まっている。

【展覧会概要】
「土屋仁応 動物と人」

会期:2024年5月17日(金)〜6月8日(土)
会場:メグミオギタギャラリー(東京都中央区銀座2-16-12 B1)
開館時間:12:00〜18:00
休廊:日曜、月曜
展覧会の詳細は、こちら

TOP: 穿山甲, 2024, 32.5 x 57 x 14 cm, Painted camphor wood, labradorite (pangolin eyes), crystal (human eyes)
Text: Miki Suka