NY & Vancouver キッズコレクション2025SS、注目ブランドを一挙ご紹介!
「GLOBAL FASHION COLLECTIVE」が主催する、キッズファッションウィーク2025年春夏コレクションが、アメリカ・ニューヨークと、カナダ・バンクーバーにて開催された。若手の子ども服デザイナーたちの登竜門として世界に向けて発信されたのは、個性豊かなスタイルや伝統を鮮やかに受け継ぎ制作されたルックの数々。世界中から集まった、気鋭のデザイナーたちによるコレクションを一挙公開!
from NY
ALEX S. YU(アレックス・エス・ユー)
台湾出身でカナダ・バンクーバーで育ったデザイナーが10周年という節目に発表したのは、豊かな旅のようなコレクション。ハート型のプリント生地、チュールのアクセント、ピンクと赤が混じり合う鮮やかな色合いのルックからスタートし、活気に満ちたランウェイを展開。無垢さを表現した子ども服は、キャンディのような夢の世界を現実に落とし込んだ世界観。現代的なフェミニニティの探求を続ける、デザイナーのシグネチャーとも呼べるコレクション。
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from NY
moa.IKUMI(モア・イクミ)
着物から発想を得た独自の世界観で「日本のKAWAII」を世界へと届けた、デザイナー・谷中郁美によるコレクション。ドレスやガウンなど、舞台衣装のように色鮮やかなアイテムは、存分に遊び心を盛り込んだ、まだ見ぬファッションへの追求のよう。大きなリボンや大胆な花柄、滑らかなシルクやチュールに至るまで、微細なテクスチャーにもこだわった。日本の着物と西洋のドレスが融合したルックの数々は、オリジナリティ満載で見応えがある。
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from Vancouver
Etoile des Neige(エトワール・デ・ネイジュ)
ふんわりとした大きな襟をアクセントにした、やわらかでノスタルジックなアイテムが数多く登場。限りある子ども時代が可愛らしさに満ちたものになるように、という日本人デザイナーの想いが込められている。やわらかなガーゼ素材を使ったスモックやワンピース。ふっくらとした袖に、ふんわりと揺れるスカート。モノトーンのアイテムも決してクールにはならず、子どもらしいやさしさが閉じ込められている。ドリーミーでありながら、子どもが自分で着られる日常着としての機能も兼ね備えている。
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from Vancouver
Cunm(カンム)
女の子のママでもある日本人デザイナーが見せる、ハンドメイドの温かみにあふれたコレクション。春夏シーズンに着心地のいいコットンやリネンなどのやわらかく通気性のある素材の随所には、透け感がロマンチックな手編みニットのパッチワークが使われている。愛らしいエプロンがついたドレスや、子どもたちが思わずクルクルと回りたくなってしまうような、身幅をたっぷりと取ったギャザーたっぷりのワンピースも特徴。
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from Vancouver
Little Princess Gown(リトル プリンセス ガウン)
パーティドレスや舞台衣装など、オートクチュールでの制作を行うカナダ発のドレスブランド。綿飴のようにもこもことしたニュアンスカラーのチュールドレスや、きらきらのグリッターをたっぷりと使ったボリューミーなドレスがロマンチック。すべてのモデルがオリジナルのティアラを身につけランウェイを闊歩する姿は、プリンセスたちが集う晩餐会のようで、どこまでも華やか。
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from Vancouver
Nauraa Hauska(ナウラ・ハウスカ)
2児の母でもあるデザイナー・加藤明日香が、ハンドメイドで制作するブランド。子どもの無垢さを表現する、やわらかな素材の純白色のワンピースとセットアップに加えて、今シーズンは淡い黄色や水色など春の花々からインスピレーションを受けたアイテムがランウェイを飾った。手の込んだレースづかいに加えて、デザイナーの故郷でもある日本最大の毛織物地域である尾州で作られた、ハリ感のある美しいジャカードにも注目を。
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from Vancouver
HANGER(ハンガー)
日本の伝統芸能と祭りの文化から発想を受け、遊び心ある2つの世界観を表現した衣装デザイナーの中村貴子。「能」をテーマにしたコレクションでは、それぞれ異なる毛糸の能面をつけたダイナミックな衣装が目をひく。日本の祭り「ええじゃないか」を反映し活気に満ちたもう一幕では、着物をベースとし縁起物モチーフをコミカルに添えた華やかな衣装が展開された。細部にまでこだわり抜いたクチュール感あふれるルックで、唯一無二の表現を見せた。
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from Vancouver
Ka-Ca(カカ)
日本人デザイナーYokoは、「Sand Land」をテーマに「砂紋を信仰する民族の民族衣装」という独自の世界観を、まるで1本の映画のように表現。砂の模様を表現したプリーツや揺れ動く長いトレーン、砂漠を表現した麻素材のパンツなど、あえて色味を制限しまとめた乾いた世界観がドラマチック。たっぷりのチュールと組み合わせた独創的なプリーツ使い方も秀逸で、奥深さを感じさせるコレクションを展開した。
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Text: Miki Suka