柚木沙弥郎とコラボする、ランドセル〈+CEL〉がデビュー
ランドセル本来の佇まいを追求した新ブランド〈+CEL(セル)〉がデビュー。100年以上もの歴史を繋いできた日本独自の文化を大切にしようと、子どもの背中にフィットすること、丈夫なこと、そして見た目の美しさにもこだわっている。
〈+CEL〉のランドセルを制作するのは、歴史あるランドセルの老舗メーカーで技術を受け継いだ若き職人たち。兵庫県西部の工房で型紙起こしから裁断、縫製、そのほか多くの工程を一つひとつ想いを込めて手作業で行っている。大人も子どもも長く愛することができるような、毎日の生活に馴染むシンプルなデザインは、ステッチやパーツなど上質で細やかな手作業に支えられている。
さらに注目は、100歳になる染色家でアーティストの柚木沙弥郎とのコラボレーション。染色で使われる型染の技法を用いて、温かみのあるブランドロゴが誕生した。ランドセルの蓋の内側には、柚木沙弥郎によるオリジナルの絵柄、あかつき・よろこび・のぞみ・きぼうの4パターンが用意される。毎日ランドセルを開けるたびに、心がパッと明るくなるような、温もりあふれるデザインばかりだ。
「『あかつき』は、のぼる太陽ですね。朝にのぼる太陽の明るさ。その勢い、喜びを子どもたちから感じて、大人たちはランドセルをプレゼントするのだと思うんです。子どもたちがキラキラしてる、まずはそれからです。親は、子どもに対する愛情、そういうものでときめくね。おじいさん、おばあさんはまた違う感情を持っているでしょう。孫にランドセルを贈ることで、そういう立場になった自信というのかな、自分たちの人生を自覚して、余裕を持つ、そこが大事。余裕ができるでしょう? すると、子どもたちに与えることができる」
そんな柚木沙弥郎のエールにも似た言葉は、ランドセルを通じて“大きな家族の輪”を見つめるキッカケにもなりそう。シンプルな中にも、さりげない温もりが添えられたランドセルに、ぜひ注目を。2024年4月に入学する子どもたちに向けた展示会も、全国で開催中(要予約、記事末)。
text: Miki Suka