6月20日まで!「アノイとアルヴァ 二人のアアルトーフィンランド建築・デザインの神話」
6月1日より展示が再開されることになりました。詳細は〈世田谷美術館〉のウェブサイトをご確認ください。
北欧デザイン、そしてモダニズム建築の巨匠として知られ、数々の名作を世に残したアルヴァ・アアルト(1898〜1976)。シンプルであたたかみのある家具は日本でも愛され、カフェや公共施設などいたるところで目にすることができる。一方で、彼の創作にパートナーが多大な影響を与えていたことを知る人は多くはない。本展は、アルヴァ・アアルトとその妻アノイ(1894〜1949)の存在に注目して開催する、国内初の展覧会。互いの才能を認め合い、影響しあいながら作品を創り続けた二人の協働の軌跡をたどっている。
トップの写真/アイノ・アアルト(左)とアルヴァ・アアルト(右) ニューヨーク万国博覧会フィンランド館にて、1939 年 Alvar Aalto Foundation ※無断転載禁止
アアルトハウス リビングルーム Alvar Aalto Foundation ※無断転載禁止
合理主義的なモダニズム建築の流れのなかで、ヒューマニズムと自然主義を共存させたアアルト建築。アルヴァが世界的に名を知られる建築家となる礎を築く過程には、アイノの存在があった。アルヴァと対等な関係でアアルト事務所を牽引し、現在も続くアルテック社の初代ディレクターを務めたアノイ。彼女は建築家・デザイナーとして活躍し、家庭と普段の生活を愛する、二人の子どもの母親でもあった。彼女の生活に根ざした視点が、アアルト建築のエッセンスを形成するのに大切な役目を果たした。
アルヴァ・アアルト、スツール 60、1933 年デザイン Alvar Aalto Foundation ※無断転載禁止
まだ女性が社会に進出することが少なかった時代において、常にパートナーに対等に向き合ったアルヴァ。アイノは54歳という若さで他界してしまうが、彼らは互いの才能を認めあい、影響しあい、補完しあいながら25年間の間作品をつくり続けていた。この展覧会では、アイノの仕事に大きく着目することで、アルヴァ・アアルトの建築とデザインの本質と魅力を見つめ直し、またそこに新たな価値と創造性を見出している。
アイノ・アアルト、ボルゲブリック・シリーズ、1932 年デザイン Alvar Aalto Foundation ※無断転載禁止
展示内容は図面・スケッチ、家具、プロダクトデザイン、建築模型、写真など多岐に渡り、その数は約200点にもおよぶ。家族の写真やプライベートなスケッチなど、日本初公開となる貴重な資料も。会場には、二人が手掛けた家具で構成した空間やアアルトハウスのリビングルームを再現したスペースもあり、彼らのデザインを存分に体感できる。
また本展とは別企画として、館内にはインテリアスタイリストの黒田美津子さんが〈アルテック〉と〈イッタラ〉の製品でコーディネートしたコーナーも登場。現代の日本の暮らしおけるアアルトデザインの取り入れ方のヒントが散りばめられているので、そちらもお見逃しなく。
世田谷美術館のホームページ では、展覧会を紹介するスペシャルムービーも公開中。