映画『五つの銅貨』
映画好きの父の影響で小さな頃にいろいろな映画を観ましたが、ジャズ好きでもある父が選ぶのは、音楽映画が多かったようにも思います。そんな音楽映画のなかでも好きだったもののひとつが、この『五つの銅貨』(1959年)。1920年代にアメリカで活躍したコルネット奏者レッド・ニコルズをモデルにした伝記映画で、音楽=ステージと共に生きる一家の幸せと悲しみ、そして父のミュージシャンとしての再起を描いた作品です。
この作品でとにかく素晴らしいのはさまざまな演奏シーン! 特にお気に入りなのは、ジャズミュージシャンのルイ・アームストロング(本人が登場)と主人公とその娘がステージで歌うところ。それぞれに異なる3つの曲を3人で同時に歌い、それがひとつの素敵なハーモニーになるのです。ブラボー!
主演はアメリカの名コメディ俳優、ダニー・ケイ。ちなみに日本のコメディ俳優でトロンボーン奏者でもある谷啓さんの名前は、谷さんが敬愛するダニー・ケイからとったんだそう。この作品は残念ながらネットフリックスなどの配信サービスでは観ることができませんが、レンタルDVDやセルDVDなど、機会があれば、ぜひ!(K)