おこさま人生相談室 第13回-小林エリカ

おとなのお悩み

多すぎるぬいぐるみに困っています。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは(右から)、リネンさん(9歳)、ザイザイさん(7歳)、スイさん(4歳)です。
夏休みの終わりまで、あともう少し。スイさんもお姉ちゃんお兄ちゃんにならって保育園へは行かない!とのことで、三人揃って家で夏休みを満喫中。
おこさま紹介

お名前: リネンさん
年齢: 9歳
生まれた場所: 東京都
住んでいる場所: ここ
好きな食べ物: いちご
嫌いな食べ物: やさい(ザイザイ「トマトすきじゃん!」)
これまでの人生で楽しかったこと: 親友とおとまり会ができたこと
これまでの人生で哀しかったこと: 学芸会で主役をやりたかったけど、勇気がなくてできなかったこと オズの魔法使いでドロシー役をやりたかった
得意なこと: 人の髪を結ぶこと(本日のスイさんの三つ編みもリネンさんが編みました)
苦手なこと: 学校の授業で自分の意見がうまくいえないこと
好きなこと: 髪を結ぶこと
将来の夢: ヘアメイク

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
心優しい彼女は、やっぱりお姉さん。
綺麗なモノに敏感で、いろいろ身にまとう事が大好きなリネン。
そのまま思いっきり楽しい事をやり続けていてね。きっと麗しい女性になってるよ!
(近所のおっちゃんより)

お名前: ザイザイさん
年齢: 7歳
生まれた場所: どこかな?
住んでいる場所: 東京
好きな食べ物: メロン
嫌いな食べ物: キャベツ
これまでの人生で楽しかったこと: カープみにいったことかな
これまでの人生で哀しかったこと: ない
得意なこと: すもう
苦手なこと: たいそう
好きなこと: 遊ぶこと
将来の夢: 野球選手(リネン「おすもうさんはあきらめたっていうか、野球のほうがぜんぜんすきになったらしい」)

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
雑踏の中でも自然と探し出してくれて、言葉の無い心のやりとりが出来る人。
独特の感性があり、大人がたじろぐくらいぐっとくる素敵なコトバをささやくニクいヤツ。
相撲が大好きでいつまでも飽きずにトントン相撲で遊んでるよね。
(近所のおっちゃんより)

お名前: スイさん
年齢: 4歳
生まれた場所: わかんない
住んでいる場所: ここ
好きな食べ物: ぶどう
嫌いな食べ物: はっぱ
これまでの人生で楽しかったこと: 浜松にいったこと
これまでの人生で哀しかったこと: ない
得意なこと: わかんない(リネンとザイザイ「ダンスじゃない?」)
苦手なこと: ……。
好きなこと: わかんない
将来の夢: うさぎちゃん、アンパンマンとしょくぱんまんとメロンパンナちゃん、おくすりやさん、かみチョキチョキやさん、あとはメロンパンナちゃん

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
大物感たっぷりのオーラを放つスイちゃん。
末っ子なのに皆んなを従えてるが如くの貫禄。 察知力スルドく状況判断に長けてる賢い人。 でも、ずるいくらいの愛らしさにいつもヤラれてしまいます。
(近所のおっちゃんより)

(リネンさん、以下L / ザイザイさん、以下Z / スイさん、以下S)

さて、今回のおとなのお悩みは?

Q わたしはぬいぐるみが大好きでぬいぐるみをたくさん持っているのですが、最近いくらなんでも多すぎるんじゃないかと思ってます。部屋がぬいぐるみでいっぱいになってお掃除とかも大変です。でもみんな大事なぬいぐるみでなかなかお別れできません。どうしたらいいと思いますか?
(りんりんさん 20歳 東京都在住)

Z はい、すてる!

──ザイザイさん即答ですね。

L だってさ、ザイザイさ、おにんぎょうだってさ、すんごいたくさんあるじゃん。

──ザイザイさんはそのおにんぎょう、すてられるんでしょうか?

Z ……すてられない。

L ザイザイは、ヒーローものみてて、そのお人形がたくさんあって、20体くらいあって、それはすてられないよね。すっごい大事で、いっつも持っていきたいって。

──では、どうしたらよいのでしょうか。

Z かたづける。

L あ、わかった!

──リネンさん、何かわかりましたか?

L あの、おっきなたなとか買って、それで、それにたくさんぬいぐるみをいれて、そしたら、すこしは楽になるんじゃないかな。

──なるほど、たなを買えばいいんですね。ところで、リネンさんもおにんぎょうやぬいぐるみを持っていますか?

L 持ってる持ってる。リカちゃんにんぎょう。

──スイさんは?

S ちっちゃいおにんぎょう。メルちゃんとアンパンマンとピピーちゃん。

L ピピーちゃんは、はじめてのサンタさんにもらってすごい大事にしてるの。

──それは、お別れできますか?

L 無理、無理。

Z お別れやだ。

──それでもなんとかしたい場合はどうしたらよいのでしょうか?

L それか、友達にあげればいいじゃない?

Z にんぎょう屋さんすればいい。

──なるほど、そうすれば、捨てずにはすみそうですね。

S (黙々と絵を描く)


(リネンさんによる処方箋画)
大きなたな、箱を買う。そしてにんぎょう(ぬいぐるみ)をしまう。きれい。 ぬいぐるみを、友達にあげる。


(ザイザイさんによる処方箋画)
にんぎょう屋


(スイさんによる処方箋画)
ヒト

りんりんさんさん、いかがでしたか?
大事なぬいぐるみは、お別れが難しいものですね。
大きなたなを買ったり、にんぎょう屋さんをはじめたりするのもよさそうです。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。


友達にあげればいいじゃない?

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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネームと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。他の著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1〜3巻(リトルモア)など。