おこさま人生相談室 第20回-小林エリカ

おとなのお悩み

やっている仕事に意味を見いだせませんがお給料は高いです。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、(左から)さきこさん(7歳)、きぬこさん(10歳)、ゆいこさん(8歳)です。
きのうは学校で2分の1成人式があったそう。2分の1成人式っていってもあと十年もお母さんに育てられるんだから、意味ないしいらないよね、と口を揃える二人の姉たちと、それを横でじっと見つめる妹の三姉妹。
おばあちゃんのところには、キジトラの美人猫、カンナ(12歳)がいます。

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おこさま紹介

お名前: きぬこさん
年齢: 10歳
生まれた場所: 杉並区高井戸の明日香医院
住んでいる場所: 杉並区(以下住所なので略)
好きな食べ物: ありすぎる アサリ好きだし、スパゲッティも好きだし、果物も好きだし
嫌いな食べ物: 肉のあぶら身
これまでの人生で楽しかったこと: これもたくさんありすぎる お母さんと公園で遊ぶ 鬼ごっこでお母さんが鬼になるとスリルがある アスレチックがある場所でお母さんに追いかけられると面白い
これまでの人生で哀しかったこと: あーある お父さんとお母さんが離婚したこと
得意なこと: 妄想と空想のキャラクターをつくること キャラはなめこや、網タイツのうさぎなど 「あずさちゃん」という四コママンガも描いています
苦手なこと: 算数
好きなこと: 絵を描くこと
将来の夢: 絵本作家とマンガ家

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
きぬちゃんは本が好きということもあって、言葉をよく知っているんだなと会うたびに感動しています。「理論」とか「飲酒禁止」とか、小学生の女の子の口からなかなか聞かれない言葉ですよね。 とっても真面目なのだけど、想像力もあって、きぬちゃんの頭の中は、世界が無限に広がっている気がします。(私もその中に飛び込みたい!)
(友人の川島葵さんより)

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きぬこさんが描いてくれたキャラ一覧

お名前: ゆいこさん
年齢: 8歳
生まれた場所: 世田谷
住んでいる場所: 杉並区(以下住所なので略)
好きな食べ物: メロン
嫌いな食べ物: アボカド
これまでの人生で楽しかったこと: お母さんのライブに一緒に行くこと
これまでの人生で哀しかったこと: お父さんとお母さんが離婚したこと
得意なこと: 歌に合わせてダンスをつくること いまは「ミラクルちゅーんず!」に合わせたダンスをつくっています
苦手なこと: あんまりないな
好きなこと: 怖い本を読む 「暗黒の舞台」「最後の審判」「地獄の扉」(闇月麗著)
将来の夢: アイドル

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
ゆいちゃんはとっても明るくて元気!大好きなドラマやダンス、歌のことをたくさん教えてくれます。 その話をしているとき、とてつもないパワーを発揮して、聞いているこちらも「もっともっと知りたい!」と思えるから不思議です。 ツッコミが早く、まるで同年代の友人と話しているかのような気持ちになるのですが、辛いものが苦手と聞いて、ちょっと安心しました。また楽しいダンス教えてね!
(友人の川島葵さんより)

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ゆいこさんが描いてくれたドレス

お名前: さきこさん
年齢: 7歳
生まれた場所: 世田谷
住んでいる場所: 杉並区(以下住所なので略)
好きな食べ物: いろいろありすぎてわからない
嫌いな食べ物: アボカド
これまでの人生で楽しかったこと: ありすぎてわからない
これまでの人生で哀しかったこと: お父さんとお母さんが離婚したこと
得意なこと: うんてい
苦手なこと: 鉄棒
好きなこと: なわとび
将来の夢: 獣医さん 猫とかモルモットが好き

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
三姉妹の末っ子のさきちゃん。いつもニコニコ、お姉さんたちと過ごしている印象です。 ほっぺがぷっくりしていて、そのほっぺを見るたびに胸がきゅんきゅんするのですが、好きなものははっきりしているし、カレーもキムチも食べられるというから、子ども扱いしては怒られちゃうわと反省しております。 重なっていた本が崩れそうになっているのを見て、そっと直していたさきちゃん。とっても素敵な女の子です。
(友人の川島葵さんより)

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(きぬこさん、以下K / ゆいこさん、以下Y / さきこさん、以下S)
さて、今回のおとなのお悩みは?

Q いまやっている仕事に意味を見いだせません。けれど、お給料は高いです。子どももいて、生活をまわしてゆくためにもお金が必要です。どうしたらよいでしょう。
(牛さん 45歳 東京在住)

K はい! 好きなことを仕事にするんだったら、たぶん熱中するから、それと同じくらいにお金貰えるんじゃないの?
たとえば絵本描くのが好きなんだったら、 熱中して描いたらそのぶん人気が出るんだったら、お金ももらえる。

──なるほど、いまやっている仕事でなく、好きな仕事を熱中してやれば、同じくらいお金を貰えるだろうということですね。

K 楽しくないなら、やることじゃないよね。

──きぬこさんは、そう思うんですね。ゆいこさんはいかがでしょう?

Y 他に自分が好きな仕事があったら、そのお給料が高いところもあるんじゃない?

──確かに、いまやっている仕事ではなく、好きな仕事でもお給料が高いところを探せばよいのですね。

Y そう。

──さきこさん、いかがでしょう?

S ⋯⋯。

──ちなみに、牛さんは、仕事に意味を見いだせないことにも悩んでいるようですね。

Y わかんないんだったら、それをつくればいいんじゃない?

K いろんなことを体験してみて、その中で好きだってことを見つければいい。

Y (さきこさんを見て)あんたまだひとつも答えてないでしょ。

S ⋯⋯。

──牛さんは、どうしたらいいのでしょうか。

Y それがほんとに嫌だったらやめるけど。嫌じゃなくて、ただ普通にやってるなら別にいいと思う。

──嫌じゃなければ、別にやめなくてもいいのですね。

Y だって、お給料は高いし、別に、嫌でやってるんじゃなかったら、それは続けていける。自分が好きなのが見つかるまで、それをやってるしか、仕方ないんじゃない?

K じゃあ、仕事の傍ら新しいことにチャレンジする。

──なるほど、仕事を続けながら、自分が意味を見いだせる仕事は何かを探すのですね。ところで、そもそも、いったいどうしたら仕事に意味を見いだせるのでしょうか?

K なんか自分が人のためになるようなことをしてるか。
それだったら、何のために自分は仕事をしてるのかってわかるから。

S ⋯⋯。

──牛さんは、では、これからどうしたらよいのでしょうか?

K じゃあ、自分が本当にどうしたいかノートに書き出してみて、その気持を自分で考えてみたら、客観的に見る手助けになる。

──きぬこさんは、よくそうしているのですか?

K いちおう日記はつけてる。

Y (日記をつけると)心が開く。

──ゆいこさんも日記をつけているんですね。さきこさんも日記をつけていますか?

S (首を振る)

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(きぬこさんによる処方箋画)
きぬこさんのオリジナルキャラクター「なめこ」

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(ゆいこさんによる処方箋画)
いろんなことにチャレンジして自分のすきなことをやろう!!!!

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(さきこさんによる処方箋画)
お菓子の絵 (家へ持ち帰って制作してくれました)

牛さん、いかがでしたか?
好きな仕事を熱中してやって同じくらいお金を稼いだり、お給料が高くて好きな仕事を探すという方法もあるそうですよ。
いずれにしても、何のために自分は仕事をしてるのかが、きっとわかるとよいですね。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。

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なんか自分が人のためになるようなことをしているか

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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネームと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

作家・マンガ家。新刊はシャーロック・ホームズ翻訳家の父の生と死を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)。
著書には小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1~3巻(リトルモア)などがある。