バンクーバー・キッズファッションウィーク2026SS 最新レポート!

「Vancouver Fashion Week」が主催する、キッズファッションウィーク2026年春夏コレクションがカナダ・バンクーバーにて開催された。世界中から集まった気鋭の子ども服デザイナーたちによる華やかなルックの数々をレポート。社会的・環境的課題に取り組むデザインも見られた今シーズン、最先端の素材と手仕事やアート的要素が融合し、魅力的なコレクションとなった。

from Japan
Bonbonne(ボンボンヌ

IT業界という異色のキャリアを持つデザイナー、櫻井裕子が手がけるのは、ちょっと背伸びをしたい子どもの気持ちに寄り添ったフォーマルなコレクション。愛情と色彩、伝統の手仕事への敬意をデザインに反映させて、子どもたちに“心からの喜び”を届けることがコンセプト。今シーズンは、中世ヨーロッパの優雅さ、ゴシック・ロリータの可憐さ、そして日本の着物文化の美しさを融合させた独自の世界観を見事に表現した。

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from Vancouver
Little Princess Gown(リトル・プリンセス・ガウン)

パーティドレスや舞台衣装など、オートクチュールでの制作を行うカナダ発のドレスブランド。ランウェイを飾ったのは、洗練されたテーラードスーツから、幻想的な花柄やフリルのドレスの数々。精密な手仕事による装いは、ブランドの持つ上品さと夢のような可憐さを見事に表現。上質な素材、繊細な装飾、そして優美なシルエットが調和し、まるでおとぎ話から抜け出したかのような世界が繰り広げられた。

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from Canada
Audrey Raine(オードリー・レイン)

子どもたちの冒険心に寄り添いながら、楽しく丈夫に着こなせる服を追求するオードリー・レイン。竹、コットン、モダールといった着心地のいい高品質な天然素材を使用し、子どもたちの鮮やかな個性を引き出すような柄で彩られている。医療的サポートや感覚過敏など特別なニーズを持つ子どもたちでも着用しやすい、アダプティブウェアも展開し、すべての子どもたちが安心して自分らしくおしゃれを楽しめる世界を目指している。

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from Japan
Apricot Life(アプリコット・ライフ)

リネンやコットン素材を組み合わせて、子どもたちが持つピュアな世界観を演出。コレクションのテーマは「tack tack tack」。春の訪れと新しい息吹を表現するかのように、どのルックも細やかなプリーツと緻密なレースを主役にした構築的なデザイン。時間を経てヴィンテージピースになるようにと、ミシンで一つひとつ丁寧に縫い上げられた表情豊かなプリーツがブランドの代名詞。

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from Japan
Rinory(リノリー)

日本の伝統行事である七五三からインスピレーションを得て、子どもたちの晴れ着をベースに、独自の感性でモダンな世界観を作り出した。着物にドレスのようなたっぷりのフリルを組み合わせてボリュームを出したり、着物の上から羽織る「被布」をエプロンドレスのようにアレンジするなど、和装という型にはまらないロマンチックさが注目を集めた。

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from Canada
Parshi Design(パルシー・デザイン)

エレガンスと遊び心、そして未来的な感性が融合したスタイルでランウェイを飾った、カナダ発のブランド。ドリーミーなチュールドレスから、ストリートウェアを思わせるエッジの効いたルック、さらに華やかなメタリックカラーまで、幅広い世界観の中で子どもらしい個性が表現されている。自由な感性で作り上げられたコレクションは、やわらかな素材を使って動くたびに表情を変えるのも魅力。

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from USA
Faeella(ファイーラ)

カリフォルニア出身の女性デザイナーが手がける、子どもたちのためのパーティウエア。インスピレーション源となったのは、デザイナーの3人の娘たち。「チクチクしない、くるくる回れるドレス」をコンセプトに、やわらかな裏地、やさしい縫製、そしてスカートがふんわりと広がるようチュールをふんだんに用いたデザインが魅力。コットンキャンディのような優しい色合いと、一点一点手仕事で仕上げられた精密なドレスは、子ども時代の愛らしい時間に魔法をかけてくれそう。

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from Mexico and USA
NOLO(ノロ)

「Dream of Mexicanication(ドリーム・オブ・メキシカニケーション)」と題して、メキシコのアイデンティティを盛り込んだコレクションを発表。ハイ・クチュールの洗練とストリートのエネルギーをミックスさせることで、自由で力強いシルエットがランウェイを飾った。それぞれのアイテムが世代や年齢、性別を超えて着こなすことができることも、ファッションの多様性とボーダレスな表現の現れ。

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VANCOUVER KIDS FASHION WEEK
Instagram @vankidsfashionweek
問い合わせ先
media@vanfashionweek.com

Text: Miki Suka