バンクーバー・キッズファッションウィーク2024SS、注目デザインをラインナップ

カナダ西海岸、ブリティッシュコロンビア州バンクーバーで、10月23日より「Vancouver Kids Fashion Week 2024SS」が開催された。次世代のファッショニスタをインスパイアし、新進気鋭のデザイナーたちを世界へと送り出すプラットフォーム「GLOBAL FASHION COLLECTIVE」が、牽引するプロジェクトだ。世界中から集められた気鋭のデザイナーと魅力的なモデルたちによって、華やかに彩られたランウェイは、若さと革新性、想像力に満ちている。当コレクションに参加した、インパクトあふれる11ブランドを一挙ご紹介。

Ujimatsu(ウジマツ)

子ども服の世界に、新しい扉を開けた気鋭のデザイナーデュオによるコレクション。ルーズなシルエットに美しく揺れ動くライン、ウエアラブルでありながら遊び心とファッション性を感じさせるルックが目をひく。芸術的な要素も感じさせるオーバーサイズのドレスなど、デザインに対する情熱と豊かな創造性が見事に表現された次世代のコレクションだ。

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Atelier Henriette(アトリエアンリエット)

2017年、自身の子どものために手がけた服作りからスタートした、日本人デザイナーAnri Komaiによるブランド。今シーズンは、自然からインスピレーションを得た中間色のドレスに、花などの自然モチーフをデザイナー自身が得意とする刺繍やパッチワークで表現した。ノスタルジックな手仕事の温かみと、ドレープをふんだんに使ったフレッシュな表情が見事にマッチ。使用する素材には100%コットンを使うなど、子ども服ならではこだわりも感じられる。

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Seeds And Bloom(シーズアンドブルーム)

“特別な日”のための子ども服を発表する、Seeds And Bloom。セレクトショップでMDを勤めていた日本人女性が、自身の産休を経て2021年に立ち上げたブランド。今シーズンのフラワーモチーフのドレスには、ブランド哲学でもある、ありのままの子どもたちを大切にしながら、ユニークで個性豊かな子どもならではの才能が開花するように、という思いが込められている。レースや刺繍、ジャガードなど日本製の上質な生地や、環境を配慮した素材にもこだわった服づくりをしている。

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Lino-Pepe(リノぺぺ)

ハワイ語で「光り輝く赤ちゃん」というブランド名を持つ、Lino-Pepe。自身も母親である日本人デザイナーが、お母さんと子どもたちに笑顔を届けることをブランド目標に、一着ずつハンドメイドで仕上げている。今コレクションでは、まるで絵本の物語から出てきたようなモデルたちがドラマチックなコレクションを披露。ブランドの代名詞とも言える、ハンドメイドで仕上げられた細やかなフリル袖や、動くたびに表情を変えるチュール使いが美しい。

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MAMACAMO(ママカモ)

フランス発のデイリーウエアブランドMAMACAMOは、成長する子どもたちが洋服をできるだけ長く心地よく着られるようにと、生まれたブランド。エコテックス®スタンダードのオーガニックコットンやリサイクルコットンといった伸縮性のある素材を採用し、トップスの袖やウエスト、パンツの裾の長さを調整することで、一般的な服に比べ最大4サイズのサイズ変更が可能な進化型衣服。環境に配慮しながら、親世代の支出を減らすことにも着目している。

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WOOD WOOD WOOD(ウッドウッドウッド)

日本人のハンドメイド作家による、子ども服ブランド。子どもらしさを引き立てるような生成りのダブルガーゼを使って、一点一点ハンドメイドで作られたやわらかなドレスが印象的。高級な素材や派手な装飾、近代的な機能をあえて排除し、ガーゼというやさしい素材で親が子どもたちに対して抱く本当の「愛」を表現する。中世の世界ような佇まいのドレスが、動くたびにふわりと揺れ動く様子はなんともドラマチック。

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Fuhan(フウハン)

敷居の高い着物を、もっと楽しく気軽に着て欲しいという思いでスタートした子どものための着物ブランド、Fihan。着付けは不要で自宅でも簡単に着られること、着用後も自宅洗いが可能なことなど、着物を手軽に扱えることも大きなポイントに。コレクションでは、日本ならではの伝統的な美しさを感じさせながらも、日常のおしゃれ着としての着物の可能性を世界にアピールした。

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Haru(ハル)

韓国語で「日常」を意味するブランド名のように、子どもたちのデイリーウエアをアップグレードしたようなハイセンスなコレクション。コットンやリネンなどの天然素材を使って、持続可能な服作りを目指す。すべてハンドメイドで仕上げられるため、胸元の装飾などは細部まで丁寧に表現されている。心地よい素材感と幅広いファッション性は、日本文化からインスピレーションを得てデザインされている。

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LILY ANNIE(リリーアニー)

物語の世界観を見事に作り出し、生地の重厚感や小物使いに至るまで、クラシックさとファンタジーの要素をたっぷりと詰め込んだLILY ANNIE。ルックごとに、ストーリーを感じさせるようなデザインとスタイリングが目をひく。日本人デザイナーKanako Inoueは、家族にとっていちばんの宝物になる子ども時代の思い出を、高品質な服と共に残して欲しい、という願いを込めて服作りをする。

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Moa by Cheerfulmama IKUMI(モアバイ チアフルママ イクミ)

童話や花魁(おいらん)、武士などをテーマに、日本の要素を盛り込んだコレクション。ドレスと着物を組み合わせたり、後ろ姿がデコラティブだったり。独自の解釈で完成された和洋ミックスは、唯一無二。14年前にデザイナーのキャリアをスタートさせた日本人デザイナーIKUMIによるコスチュームブランドは、職人技のような細かなディテールと、トゥーマッチさが新鮮だ。

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Little Princess Gown(リトルプリンセスガウン)

プリンセスを夢見る女の子の夢を叶える、カナダ発のドレスブランドLittle Princess Gown。「すべての小さな女の子を、王族のように扱う」というコンセプト通り、品質にこだわったドレス作りを目指している。キラキラのグリッター、ふわふわのチュール、揺れるフェザーなど、ドレスに欠かせない華やかな素材を踏んだんに使って、心が高揚するようなプリンセスの世界観を作り上げた。

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GLOBAL FASHION COLLECTIVE
Instagram @globalfashioncollective

Text: Miki Suka