Lifestyle magazine
for modern family

Lifestyle magazine
for modern family

DATE 2020.01.14

03. ボルボ|より良い未来をつくる、社会貢献に取り組むブランド

近年、サステイナブルな地球環境や多様な社会を目指して、さまざまな社会貢献に取り組む企業やブランドが増えています。それぞれの企業はどんな姿勢で未来を考え、行動しているのでしょうか。

「世界一安全なファミリーカー」と評されるスウェーデンの自動車メーカー、〈ボルボ(VOLVO)〉は人を守り、思いやる思想から、これまで自動車業界において安全性をリードしてきた。 2020年までに、新しいボルボ車に搭乗中の事故における死亡者または重傷者をゼロにすることを目指している。そんな〈ボルボ〉が取り組み続ける、安全のためのプロジェクトとは?

ボルボ イラスト

安全なクルマ造りのために

近年、日本国内で高齢者の運転による死亡事故が相次いでいる。全世界では毎年、130 万人にものぼる人が交通事故で亡くなっているそうだ。〈ボルボ〉はこのような交通事故が多発する現状を前に、2008 年から「Vision 2020」と銘打つ取り組みを実行している。具体的な目標は、2020 年までに新しいボルボ車に搭乗中の交通事故における死亡者や、重傷者をゼロにすること。一見無謀にも思える計画だが、実現するための先進的なテクノロジーの開発に意欲的に取り組んでいる。

 

ボルボ車に搭載されている安全技術は「インテリセーフ」と称され、運転を支援するとともに事故回避をサポートし、万一の衝突の際には乗員を保護してくれる。自動車が衝突事故に至るまでのさまざまな先進技術が、昼夜を問わず車両や歩行者、自転車までも検知して、事故を未然に回避するよう手助けしてくれる。そんな安全装備が〈ボルボ〉には全車に標準装備されている。

シートベルトの特許をすべての車に

「ボルボ=安全なクルマ」というイメージが世界的にも広く浸透しているのは、衝突試験を含めて安全に関する取り組みを絶やさず継続してきた結果である。さらに、今私たちが当たり前に着用している3 点式のシートベルトの実用化にも貢献している。

 

創業当時から「クルマは人によって運転され、使用される。したがって、〈ボルボ〉の設計の基本は、常に安全でなければならない」という理念を持ち、シートベルトという新しい安全装置で特許を取得した〈ボルボ〉は、「誰もがこの技術の恩恵を得られるように」と、1969年からこの特許の無償公開に踏み切った。結果、さまざまな自動車会社がこのシートベルト技術を搭載し、以降〈ボルボ〉すべての自動車に3 点式シートベルトが装備されることになった。3 点式シートベルトは、これまで100 万人以上の人の命を救ってきたとも言われ、ドイツの特許登録機関では「1885 年からの100 年間で、人類に貢献した最も重要な8個の発明のひとつ」と評している。またシートベルトの他にも、今では当たり前になっている後ろ向きチャイルドシートや、サイドエアバッグ、ビルトイン式のチャイルドシート、歩行者エアバッグも、他社に先駆けてボルボが実用化してきたものだ。

3点式シートベルトを発明したボルボのエンジニア、ニルス・ボーリン。

自社の安全技術を無償で公開

2019年は〈ボルボ〉が3 点式のシートベルトを実用化し、その技術を他の自動車メーカーと共有してから60 周年にあたる。その節目を記念し、新たに「E.V.A. プロジェクト」が立ち上がった。

 

「E.V.A. プロジェクト」は、車を運転する比率の高い男性だけではなく、女性や子どもなどすべての人にとってクルマがより安全なものになることを願い、40年以上にわたる〈ボルボ〉の安全に関する研究データを公開したものだ。現在も多くの自動車メーカーでは、平均的な男性の体格を基準とした衝突実験用ダミーのデータに基づいてクルマの安全設計を行っている。そのため、解剖学的構造や頸部の強さの違いにより、女性の方が自動車事故で怪我をする危険性が高いことが問題になってきた。しかし、〈ボルボ〉は1970 年代から40 年以上にわたって、4 万台、男女とも7 万人以上もの実際の事故データを独自に収集・分析を行ってきたため、男女差や年代に偏ることのない知見を持ち合わせている。その研究結果を「E.V.A. プロジェクト」として公開することで、性別を問わず、社会全体の安全性を向上させることを目指している。

「E.V.A. プロジェクト」のビジュアル。あらゆる車がより安全になることを願い、40年以上にわたる研究結果を誰でもダウンロードできるように公開した。

さまざまな新しい技術の開発によって、 実際にボルボ車での負傷リスクは、減少を続けているという。自動車の完全自動運転が待たれる今、人間の感性と技術の力で、これからも楽しい車の未来をつくってほしい。