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for modern family

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DATE 2018.11.09

第19回:山野・アンダーソン・陽子より
364日「ダメ!」と言われる息子の「なにも我慢しなくていい日」。

女性は子どもを産むとみんな「はは」になる。当たり前のことだけど、みんなそれをどう受け入れ、日常を送り、自分の生き方を新たに手にするのでしょうか。この連載では、クリエイターとして活躍する二人の「はは」と「ハハ」に手紙をやりとりしていただきます。それぞれの悩みや愚痴、ときに葛藤、あるいは日々の喜びから、あなたや私の「はは」としての生き方のヒントがみつかるかもしれません。

山野・アンダーソン・陽子さんから長島有里枝さんへ。

 

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有里枝さんへ

 

こんにちは。

こちらは本当に寒くなりました。通年通り、10月最後の日曜日から冬時間になり、日本との時差が8時間になりました。

 

有里枝さんの展示会、とても楽しみで、とても興味があります。千人針のこと、気になって早速、調べてみました。とくに女性の力(妹の力)のことが気になりました。それから、なぜか千人針の話でチョロチョロと出てくる「寅年生れ」のことも気になりました。御真影の事といい、信じるのか信じないのかと自問自答する意思の中にある強い力ではなく、社会の中で言い伝えられる言わば「無意識の力」というものにとても興味があります。その展示を通して何か自分の知らない感情を知れそうな気がするのと、有里枝さんのことをより知れそうな気がしています。

 

それにしても、「寅年」で思ったのですが、干支についてなど久しく考えたことがなかったのですが、日本にいると干支や血液型の話がよく出ますよね。あれ、結構不思議に思ってしまって、そう自分が思うことがまた不思議でもあります。日本に住んでいた時にどう感じていたのか忘れてしまったのですが、「来年は何の干支?」と年末になると必ず気になったり、「A型だから几帳面だ」とか、「O型ぽい!」とか、「うちの旦那がB型だ」とか、「うわぁ、AB型だと思った〜」とか言い合ったり。スウェーデン人って干支はもちろん、血液型も知らないんです。なので、38歳で妊娠した友人が「私、この前、AB型RHマイナスだから色々気をつけなくちゃいけないって言われたのよ。意味がわからなくて調べたわ。」と、RHマイナスでありながら38年も血液型を知らなかったと言う話がスウェーデンに18年間住んでいて1度だけ聞いた血液型の話です。私もパートナーと息子の血液型を知りません。友人のものも知りません。血液型診断もありません。ちなみに、ちょっと調べたところによるとO型がスウェーデンでは一般的な血液型らしいです。
うちの茄子好きの息子は、お風呂に入りながら、その何とも言えない液体を少し飲んでいました……。見て見ぬふりをしました。去年、その豆乳風呂に一緒に入った茄子は、今ではカラッカラに乾いて棒みたいになっていますが、ネックレスをつけて「パーチャン」という名で今でも毎日一緒に寝ています。その後、新しくパーチャン用に「パーチャンのパパ」という名でパパも迎え入れました。暇ができたら3人で喋っています(実質一人)。

 

私は親がサラリーマンで共働きだったので、物心がつく前から「仕事」と言う目に見えないものを理由に色々な事を我慢させられてきました。それに加えて母は体が弱く、いつも入院していて、私が生まれてから小学校の低学年になるまでに4、5回は手術をし、1度は間違えて死を宣告されました。母が良くなったら父が病気になり、亡くなるまでの10年間入退院を繰り返しました。なので、我が家では「病気」と言う理由も加わって色々な事を我慢せざる終えない状況でもありました。正確に言えば、子供心に我慢することで親に面倒をかけずに済むだろうと、とくに仕事をしているのに家事も育児も担当している母親を子供なりに気にかけていたと思います。父が病気になってからは母が今まで以上に食事や生活習慣をいっそう気にかけるようになり、毎日の手伝いも増えました。両親の仕事や入院の間は祖父母の家で叔父叔母といとこ達と過ごすことが当たり前でした。いつも誰かの物を借りてその場をやり過ごしていたので、欲しい物が何なのかすら考えたことがなかったような気がします。ゆりえさんの好きな季節の話と少し似ている感覚かもしれないですね。違うかな?
そんなこんなで、その反動から息子には「やりたいことのできる、我慢しなくていい日」をプレゼントしようと思いました。364日、親から何らかの理由で「ダメだ」と言われる事を誕生日ぐらい好きにさせてあげよう、と言う事です。今年は随分と喋れるようになり、「誕生日」の概念も少し付いてきたので、9月ごろから「何をしようかな」と言う話題で盛り上がっています。わけの分からないアイデアが出てきて、これが意外にも楽しいです。今のところ、まだ決定ではないのですが、「ザクロを初めから最後まで自分でむく(途中で諦めるのも笑顔で許す)」が有力です。普段からザクロすら一人でむかせてあげないのか! と思われるかもしれませんが、直径12cmほどの熟れたザクロを3歳児にむかせると、まぁーひどいことになるんです。全身ならぬキッチンまで大量の赤い果汁でベタベタになり掃除が大変で、結局時間もかかって、果肉が潰れて食べるところはない……ということで普段は少ししかやらせてあげないので、フラストレーションが溜まっているみたいです。「夕飯」には日本のホットケーキをクリームとマスカット、ミニキーウイ(2cm程の毛のないキーウイ)と一緒に食べ、「デザート」に日本のカレーライスを友達に振る舞うことは決まりました。まだ話し合いの最中ですが、最終的には、なんて事ない何かになるのでしょう。まぁ、それもありです。

 

次のお手紙で私からの往復書簡は最後ですね。もう既に名残惜しいですが、お手紙の前に、もしかしたら日本で会えるかもしれないですよね。私も12月に都内で展示会があるので、お時間あればそちらも是非。

 

山の

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次回更新は11/22(金)の予定です。写真家の長島有里枝さんからのお返事です。

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