おこさま人生相談室 第55回-小林エリカ

おとなのお悩み

老後のお金が心配です。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、ナツミさん6歳。
ちょうど3ヶ月前に弟が生まれました。
好きなテレビ番組は「ゆるキャン△」。実際、パパと一緒にしょっちゅうキャンプへ出かけています。
テニスと料理ができたらカッコいいから、こんど教室へ通いたいと思っています。

おこさま紹介

お名前:ナツミ
年齢:6歳
生まれた場所:・・・・
住んでいる場所:S小学校の前
好きな食べ物:ジャムパン
嫌いな食べ物:ないです
これまでの人生で楽しかったこと:旅行にいったことです 白骨温泉 ごはん食べるのがおいしかった(オムライス)
これまでの人生で哀しかったこと:ないです
得意なこと:お料理をすることです 得意なのはタマゴスープ
苦手なこと:ないです
好きなこと:お祭り(阿波踊り)
未来の夢:はげしいダンス

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
「なっちゃんは一緒にいると自然と笑顔になります。いつもユーモラスで、自分の決めたことは面白さ、楽しさを忘れずに努力して最後までやり遂げる力があります。素敵なユーモアと豊かな想像力でたくさんのアイデアが出せる発想の自由人です。ピアノを頑張っています!」
(従姉妹のリコより)

(ナツミさん、以下N)

さて、今回のおとなのお悩みは?

Q 1歳の子供がいて自分はいま45歳です。この子が20歳になる頃には、僕はもう60歳を超えていて教育資金や老後のお金が心配です。どうすればいいでしょうか?
(こみっくさん 45歳 東京在住)

N ・・・・・・・・。

──そもそも年をとってからのお金というのは心配なものなのでしょうか?

N うん、心配。

──なぜ心配なのでしょう?

N お金がなくなっちゃうかもしれないから。

──若いとお金は心配ではないのですか?

N (頷く)

──なぜ心配ではないのでしょう?

N ・・・・・・・・・・・・・・・・。

──若いとお金は手に入るのでしょうか?

N お年玉とかもらえるから。

──確かに、若いうちだとお年玉でお金がもらえますね。

N (頷く)

──ちなみに、ナツミさんはお金の心配をしたことがありますか?

N ない。

──どうして心配したことがないのでしょうか。

N いっぱいお金もってるから。

──なるほど、いっぱいお金を持っていると心配せずにすむのですね。

N (頷く)

──ナツミさんは、どうしたらお金をいっぱい持っていると思って安心できるのでしょうか。

N ブタさんの貯金箱。

──ブタさんの貯金箱を持っている。

N 音が鳴るから。

──(貯金箱を振り)その音でお金がいっぱいあることを確かめることができるから安心できる、ということでしょうか。

N (頷く)

──こみっくさんも、貯金箱のように目に見え、音が鳴るかたちでお金を持っていれば、もうお金のことを心配しすぎずにすむでしょうか。

N (頷く)

──では、こみっくさんにはどんな貯金箱がおすすめですか?

N ふつうの貯金箱。

──ふつうといいますと、どのようなものになるでしょうか?
(具体的な絵を描いてもらうことにしました)


(ナツミさんによる処方箋画)
ブタさんの貯金箱。小銭がいっぱいはいることで光る(お金が入るごとに光の色が増えてゆく)。棚に置くと、これが何円あるかわかる。

こみっくさん、いかがでしたか?
確かに年をとるとお年玉も貰えなくなるので、お金のことが心配ですね。
教育資金や老後のお金が心配なときには、ぜひこのような貯金箱を使ってみてください。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。

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お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネー ムと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

作家・マンガ家。著書に小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1〜3巻(リトルモア)などがある。