おこさま人生相談室 第54回-小林エリカ

おとなのお悩み

自分の心に余裕がないとき、家族にきつくあたってしまい、いけないと思っていてもとめられません。

今回、人生相談にお答えいただくおこさまは、ほの香さん8歳と奏人さん6歳の姉弟です。
ほの香さんがよく歌う歌は「うっせぇわ」、奏人さんが好きなのは〈アニア〉の恐竜シリーズ。
亀有4丁目会会館で開催の、多世代交流みんな食堂「えまいまキッチン」一風堂ラーメンスペシャルで、ラーメンを食べ終えたおふたりに相談しました。
みんな食堂へ来たのは3度目です。

おこさま紹介

お名前:ほの香
年齢:8歳
生まれた場所:江東区
住んでいる場所:葛飾区
好きな食べ物:すし ウニ
嫌いな食べ物:やさい
これまでの人生で楽しかったこと:大分旅行
これまでの人生で哀しかったこと:おかあさんに怒られたこと なんかウソついたりして
得意なこと:走ること
苦手なこと:弟にやさしくすること
好きなこと:ゲーム リングフィット
未来の夢:歌手 安室奈美恵ちゃんみたいなミュージカル女優

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
勉強、スポーツ、何でも興味を持ち体力も有るかと思います。
2歳半位の時、足のつかないブランコに座って乗っていて膝の曲げ伸ばしを教えるとすぐに覚えました。立ちこぎも覚え余りにグイグイ漕ぐので冷や冷やした事を思い出します。
4才頃になると我が家に来ると台所で犬のごはんを用意して食べさせてくれる様になりました。 高齢犬なので、ドッグフードに少々缶詰めを混ぜお湯をかけてふやかします。1日分を3回に目分量で分けてやります。
それが、きっかけになったのか、最近は、朝食の目玉焼きをみんなに作ってくれるまでになりました。
(おばあちゃんより)

お名前:奏人
年齢:6歳
生まれた場所:葛飾区
住んでいる場所:葛飾区
好きな食べ物:すし サーモン
嫌いな食べ物:きのこ
これまでの人生で楽しかったこと:任天堂(スイッチ)はじめてしたとき
これまでの人生で哀しかったこと:きょうのことなんだけど、ソファのかどに口ぶつけて切れて、めちゃくちゃおお泣きした
得意なこと:サッカー 運動になること
苦手なこと:クロール
好きなこと:恐竜 とくに好きなのはティラノザウルス 危険生物 インドコブラ
未来の夢:恐竜の発掘

おこさまをよく知る人からのご紹介のことば:
いつもニコニコ顔で優しくて、皆に好かれています。
3歳頃には、語彙が豊富でおしゃべりが、とっても得意でした。
4~5才期は、プラレールに夢中。部屋にこもって自分の世界に浸って遊んでいました。電車の事は、とても知識が豊富で、何処を走っているか、どんな顔をしているか教えてくれました。
やがて興味がウルトラマンから怪獣へ、そして恐竜へ、最強の恐竜、水中最強王はだれかなどに移っているようです。
詳しい本をいつも手にしています。 私に教えたくて仕方がないようですが、全然ついていけません。
(おばあちゃんより)

(ほの香さん以下H、奏人さん以下K)

さて、今回のおとなのお悩みは?

Q 自分の心に余裕がないとき、家族にきつくあたってしまうことがあります。いけないと思っていてもとめられないときはどうしたらいいでしょうか。
(たぬりんさん 49歳 愛知県在住)

H いっかい寝ればいいんじゃないかな。

──ほの香さんはどうして寝るのがよいと思うのですか?

H 寝たら、なんか、前のことも忘れるとおもう。

──なるほど、色々忘れるのがよいのですね。
奏人さんは、いかがですか?

K うーん。わかんない。

──ちなみに、ほの香さんや奏人さんは、心の余裕がないとき、家族にきつくあたってしまうことはありますか?

H めっちゃある。

──そんなときは、自分でもいけないなと思ったりしますか?

A ううん。

──いけないとは、思わないのですね。

K いやあ、でちゃうんだよ! 怒んないと、やめないからさ。

──そんなときには、どうしたらよいでしょうか?

H わたしだったら、お風呂はいる。

──どうしてお風呂にはいるのですか?

H お風呂にはいると、気持ちいいから、忘れる。

──奏人さんはいかがですか?

K なんかで遊ぶとか。

──お風呂に入って気持ちよくなったり、遊んだりすれば、心に余裕が生まれるということですね。
ちなみに、やっぱりそれでもきつくあたることをとめられなかったときはどうしたらいいでしょうか?

K すぐなかなおりする。

──きつくあたってしまったことを、すぐにちゃんと謝るということでしょうか。

K そう。

(ほの香さんによる処方箋画)
やだなあっておもって、寝て、さっき考えたこと何だっけってなって、ハッピーになる

(奏人さんによる処方箋画)
わるいことしちゃったひと、みてるひと、ねてるひと

たぬりんさん、いかがでしたか? 怒らないとやめられないことも、あるそうです。
心に余裕がないときは、とりあえず、いっかい寝たり、お風呂に入ったり、遊んだりしてみましょう。
というわけで、今回の、おこさまからの箴言。

プリントして壁に貼っていただけるようになっています。PDFダウンロードはこちら

協力:「NPO法人こども食堂支援センター・むすびえ」森谷 哲

お悩みを随時お待ちしています。おこさまに相談したい方はぜひ、ペンネー ムと年齢、お住まいの都道府県を記入のうえ、こちらまでお悩みをお送りください。

絵・取材・文
小林エリカ

作家・マンガ家。著書に小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社、第7回鉄犬ヘテロトビア文学賞受賞)や『マダム・キュリーと朝食を』(集英社、第27回三島賞候補、第151回芥川賞候補)、コミック『光の子ども』1〜3巻(リトルモア)などがある。