Lifestyle magazine
for modern family

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DATE 2018.12.07

DECEMBER / アンスリウム

花に触れるほど、暮らしは豊かになる。〈The Little Shop of Flowers〉代表であり、自身も母である壱岐ゆかりさんが、季節の花を選び、暮らしに寄り添うカタチを提案。ルールに縛られず、肩の力をすっと抜いて。花をもっと身近に楽しみましょう。

アンスリウムがくれる
冬のあたたかな感覚

1年の最後を締めくくるお花は、チューリップのように艶やかに咲く『アンスリウム』の「プレビア」。南国や夏を連想させる暑さに強い花材です。“季節らしく、季節の花材を取り入れて”という、日本の花屋として当たり前の概念をど返しした提案ではあるけれど、冬真っ盛りの12月にあえて、冬らしい実ものや真っ赤な色合い以外に、直感で綺麗と思える色合いをセレクトしました。

 

“ルールにとらわれないでいられることの大事さ”ってあるなと、花屋になって来年で10年を迎える今、改めて思います。もちろん、ルールありきの生け方を否定するわけではなく、基礎は大事。でも、そればかりを気にしていると、みんな似たようなスタイルになってしまう。

よく店頭に立つ時やワークショップをしている時に、お客さまから聞く言葉「これであってますか?」。あってるもなにも、“好きだ”と思えることがまず大事。アレンジの仕方に多少の違いがあっても、自分が“好きか嫌いか”の感覚を優先したいと思えると気持ちいいかもしれません。

 

「諦めない」「自由に」「なんとなくの感覚を大切に」が、花屋として、母として、私の中で掲げた今年のテーマでした。常に自分の心を欲求で満たし、本能的に動けるパワーを持ち続けること。そうすることで、生まれる感覚と、保持される感覚があって、このコンビネーションはとてつもないパワーを持っていると思うんです。

そして、感覚を育てることは、大人がいま1番必要で失ってはならないもの。だって、その大人をみて子どもは育っていくんですから。

 

「こうすべき」ではなく「こうしたい」を優先し、その行動から得られる感覚を記憶に残す。その繰り返しを、五感を通じて感じまくる。視まくる、聴きまくる、食べまくる、触りまくる、感じまくる。その“まくりまくる”の過程で、自分の波長にあう植物や生け方、花瓶を選ぶセンスも、また自分自身を映し出すものになるんだろうな。

 

今私たちは寒い冬だけど、違う場所では暑い冬があって、凍える冬もある。時空間を旅するように、今自分がおかれている場所と違う季節を感じる感覚も、意外に面白いんじゃないかと思います。それがいけないってわけじゃない。違う場所にいるようなその感覚と想像力って、とっても夢があっていいな。暖房にも耐えうる鮮やかな『アンスリウム』もそう言ってくれている気がします。

アンスリウム FLAMINGO FLOWER

熱帯アメリカ原産で600以上の種類が存在。今回生けた品種は、「チューリップ・アンスリウム(紫)」と「アンスリウムコーラル(赤・緑)」。美しく着色した花びらにみえる部分は葉っぱで、中央のとがった部分が花である。暑さに強く、花持ちも良いため、冬は暖房の効いた室内での管理に向いている。

 

〈HOW TO POINT〉

花自体に存在感があり、重さがどっしりとしているので、1輪1輪ごとに角度を変えて、それぞれの“横顔”が綺麗に見える位置をさがしてあててください。根本からすっと伸びる茎のフォルムも魅力なので、長めに切って、高さのあるクリアな花器に生けるのがオススメ。