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DATE 2015.11.23

フィジー:緑が溢れるタベウニ島で出会った子どもたち

写真家・田尾沙織が、フィジーで出会った欧米人の女性とその子どもたち。

太平洋に浮かぶ南国フィジーのメインランドから飛行機を乗り継ぎ、やっと辿り着いたタベウニ島は、メインランドから北東に位置するフィジーで3 番目に大きい島。珊瑚礁が美しく、青い海と緑が溢れる場所だ。

1 年中常夏のそんな島で、ひとりの欧米人の女性と知り合った。その女性は現地の男性と結婚し、ふたりの男の子を森の中で育てていた。その森の家へ招待してくれるというので、海沿いの街から彼女の家へ、トラックの荷台に乗って連れていってもらった。その森に辿り着くと、そこにはツリーハウスのような木造の家が建っていた。フィジーの田舎ではまだ多い窓にガラスも入っていない開放的な造りだ。そして、彼女の2 歳と4 歳くらいの活発そうな男の子が賑やかに出迎えてくれた。

しばらく彼女のフィジーでの生活などを聞いていたのだが、ふと横を見るとお兄ちゃんがナタを持っている。そして、真剣な眼差しで大きなヤシの実に何度もナタを振り下ろし、横では弟がそれをじっと見守っていた。危なげだけれども、器用に分厚く硬いヤシの実の皮を剝がして、そこに小さな穴を開けると私に手渡してくれた。遠くから来た客人へヤシの実ジュースのおもてなしをしようと、自ら用意してくれたのだった。驚いている私を横目に、彼女は手を貸すこともなく、そんな光景を笑顔で見守っていた。

「大丈夫よ。少しくらいケガをすることはあるけど、使い方を教えてあげれば命に関わるようなことはないから。最近はヨーロッパの子どもとか過保護すぎて軟弱だと思うの」

その彼女の言葉に、私は驚かされた。彼らは自分たちで家の屋根ほどある高いヤシの木に登り、ヤシの実を取り、ヤシの実を割ることが出来た。言われてみると確かに、今の日本の子どもは木に登ることが出来るのだろうか? ヨーロッパだけではなく日本も過保護なのかもしれない。ここに育つ子どもたちは自然の中でこんなにもいきいきと育ち、生きる力が溢れている。私たちの生活から見たら不便なことが多いかもしれないけれど、これが人間らしい生活なのかもしれないと、見渡す限りの圧倒されるような緑の中に居ると考えさせられずにはいられなかった。

家の近くには小川が流れ、オタマジャクシが泳いでいた。日本の田舎を思い出させるそんな景色の中で、地元の子どもたちが服を着たまま次々と水に飛び込んでいった。私も服のままみんなと水浴びをした。どこからか、子どもたちがこの島では珍しい日本人の私を呼ぶ声がした。振り向くと美しく色鮮やかに実る果物のように、何人もの子どもたちが木に登って手を振ってくれていた。

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