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DATE 2019.05.08

フィンランド:白夜が見られる北極圏の町・ケミで出会った子どもたち

写真家・田尾沙織が、夏には白夜が見られるフィンランドの町・ケミで出会った子どもたち

一晩中、太陽が沈まないという「白夜」。夜出ている太陽って、どんな光の色をしているのだろう。そんな好奇心が膨らんで、白夜の光を探すために夏のフィンランドを訪れた。

 

向かったのは、フィンランドの中でも北極圏にあるケミという町。知人を介して、現地に住む方を紹介してもらい、数日お世話になることにした。その家は、湖のほとりにあった。林の中に、壁面が赤く塗られ、窓が白く縁取られた木造の家がポツンと立っていて、少し離れたところに、サウナ小屋が立っていた。この辺の家は、みんな外にサウナ小屋があって、サウナに入った後に、裸のまま湖に飛び込んでクールダウンするのだそうだ。

フィンランドの町・ケミ

白夜は、一日中、本当に明るかった。そして、それはソフトなフィルターがかかっているかのように、やさしくやわらかい光だった。夜でも、延々と外で読書ができるんじゃないかと思うくらいに明るい。午前2時くらいは、一度、夕焼けみたいに力強いオレンジ色の光を放って、日が沈むかのように見える。しかし、地平線に触れる前に、太陽はもう一度、元気を取り戻したかのように昇り始めて、そしていつの間にか朝を迎える。なんだか寝るタイミングを掴めず、友人たちと夜中に料理をしたり、明け方に庭のイチゴ狩りをしたりしてしまった。

ケミでは、湖のほとりを散歩をしながら、写真を撮るのが私の日課だった。一日何度も湖へ行って写真を撮った。どの家も敷地が広大で、隣の家も遠いので、ほとんど誰も見かけなかった。そんなある日、一人の男の子が、湖の淵の岩の上に座って遊んでいるのが見えた。挨拶をするも、それ以外のフィンランド語が分からないから、言葉を交わすことができない。この小さな町で日本人は珍しい。彼にとって私は初めての日本人だったのか、興味津々にこちらの様子をうかがっている。カメラを構えて、「写真を撮ってもいい?」と身振り手振りで伝えると、照れながら帽子で顔を隠してポーズをとってくれた。彼も、庭でイチゴやラズベリーを採ったのだろうか。

フィンランドの町・ケミで出会った少年