Lifestyle magazine
for modern family
DATE 2017.03.07

12『大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる』おばあさんのザワークラウト

子どもと一緒に読んで作って食べたい「おいしいおはなし」。今日はドイツの食卓をのぞき見できる冒険物語を。

大どろぼうに食べられちゃった木曜日のお昼ごはん

「大どろぼうホッツェンプロッツ」シリーズといえば、悪名高き大どろぼうに、ゼッペルとカスパールというふたりの少年が魔法の助けを借りながら立ち向かう冒険物語。といっても、舞台はのどかな日常で、どろぼうvs.市民の騒動の合間に、ドイツの食ベものがちょいちょい登場するのが魅力です。

1冊目では、クリームをかけたプラムケーキに合わせるためにコーヒー豆を挽いていたおばあさんからコーヒー挽きを盗んだ大どろぼうは、2冊目の『大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる』の冒頭では、留置されていた消防自動車置き場からまんまと抜け出し、おばあさんがゼッペルとカスパールのために作ったお昼ごはんを食べてしまいます。

言葉使いは乱暴だしいつも怒っているホッツェンプロッツですが、なぜだか憎めないのは、彼が食いしん坊でおいしいもの好きだからかもしれません。天敵とも言えるゼッペルとカスパールを捕まえて隠れ家に連れて行く大事な道中ですら、こんなふうなのですから。

***

「どうどう!」ホッツェンプロッツは、さけびました。「とまるんだ! まちがって、そこのすばらしいきのこを、ふんづけられては一大事だ! こいつをとってかえろう、おいしいきのこスープができるからな。」(P.149)

***

この食い意地が『ふたたびあらわる』で彼自身を追いつめることになるのですが、そののちの『三たびあらわる』では彼自身を助けることにもなります(やっぱりおいしいもの好きに根っからの悪人はいないのかも!)。

さて、物語の冒頭、逃げてきたホッツェンプロッツのお腹を満たしたのは、おばあさんの家の木曜日のお昼の定番という、焼きソーセージとザワークラウトでした。「ばあさん、とてつもなくうまかったぜ!」と、大どろぼうは大絶賛でしたが、小さな読者だったころには「ザワークラウト」という食べ物を知らず、いったいどんなふうにおいしいのか、「はっこうさせた塩づけキャベツ」という訳注だけをヒントに、想像をふくらませたものでした。

今ではドイツ料理を食べさせる店も増えたし、ビン詰めなどで売ってもいますが、ホッツェンプロッツをうならせるような自家製のザワークラウトを、ぜひ作ってみてください。

『大どろぼうホッツェンプロッツ ふたたびあらわる』プロイスラー作、中村浩三訳(偕成社)ロングセラーシリーズの第2冊。ゼッペルとカスパールの活躍でつかまえた大どろぼうホッツェンプロッツですが、なんと巡査部長をだましてまんまと逃げ出します。捕まえようとしたふたりの裏をかきおばあさんを誘拐した大どろぼう。千里眼のシュロッターベック夫人の力を借りて、今度こそ大どろぼうを捕まえます。