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for modern family

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DATE 2018.02.09

29『ふたりはいっしょ』がまくんの作ったおいしすぎるクッキー

子どもと一緒に読んで作って食べたい「おいしいおはなし」。今回は、世界一仲良しな二人組の登場です。

おいしいものを手土産に大切な友だちに会いに行きたくなる本

小さい頃「お友だちに優しくしなさいね」と、大人からよく言われたものです。でも、上手に優しくするのは難しく、時には意地悪したりされたり、ぶつかり合ったり、そして仲直りしたりしながら、友だちと一緒に大人になりました。

そして今度は、子どもたちに「お友だちに優しくね」と言うようになりましたが、もし、子どもたちから「お友だちに優しくってどういう感じ?」と聞かれたら、この本を読んでもらったらいいんじゃないかな、と思います。

『ふたりはいっしよ』は、がまくんとかえるくんのおはなしシリーズの中の一冊です。頼もしい兄貴分のかえるくん、おっとりで少々悲観的ながまくんの二人は仲良しの友だち。本の中には彼らの日々が綴られているのですが、そこに大きな事件はあまり起きません。ただ、ふたりののどかな日常のゆかいなやりとりがとっても魅力的です。

がまくんがおいしすぎるクッキーを作っちゃって食べるのが止まらなくなったときには、「ぼくたち たべるのを やめなくちゃ!」(P.34)と悲痛な叫びをあげるがまくんと、「ぼくたちには いしりょくが いるよ。」(同)と冷静なかえるくんは、二人で一緒にクッキーを全部食べなくて済む方法を考えてトライします。しかし、おいしすぎるクッキーの魔力……最後にはかえるくんの大胆な行動でえいっと解決するのですが、それでもやっぱりおいしいクッキーに未練いっぱいのがまくんのセリフにおもわず笑ってしまって、読んでいると「そっか。じゃあもう、心ゆくまで一緒に食べよう!」と言ってあげたくなってしまいます。あ、きっとかえるくんもそう言うんじゃないかなあ。がまくんのことが大好きなかえるくんのことですもの。もちろん、がまくんだってかえるくんのことが大好きです。はっきりそう言わずとも、ふたりの気持ちは私たちにくっきりと伝わり、読み終えると心の中があったかくなります。たとえば、がまくんが怖い夢から目覚めた時にかえるくんが訪ねてきたときの会話。

***

「かえるくん。」がまくんが いいました。

「ぼく きみが きて くれて うれしいよ。」

「いつだって きてるじゃないか。」

かえるくんが いいました。(P.63)

***

お友だちに優しくする方法はいろいろあると思いますが、一番大切なのは、多くを語らなくても、そばに一緒にいることなんじゃないかな。と、がまくんとかえるくんに教えてもらったような気がするのです。

『ふたりはいっしょ』(アーノルド・ローベル著、三木卓訳)表紙に描かれているのは、ユーモラスな表情と動きが印象的なこの本の主人公、がまくんとかえるくん。描かれているようにおしゃれな二人の日々のおはなしは、全4冊のシリーズ。1日の予定表を作ってみたり、かえるくんを見習って庭づくりをしてみたり、おいしいクッキーを作って食べるのが止まらなくなったりしたがまくんのそばに、かえるくんはいつもいます。ふたりの会話のおかしさや優しさが魅力の物語です。