02中兼英朗さん(スタイリスト)の受け継ぎたいもの

受け継いだもの、受け継ぎたいもの。特別な想いとストーリーが込められたものにまつわるインタビュー。今回は、スタイリストの中兼英朗さんが息子さんに受け継ぎたいスーツのお話。

 僕が我が子に受け継ぎたいのは、スーツ。スーツそのものではなく、スーツの楽しみ方を伝えていきたいと思っています。

 スーツは、着る人の美学が表れるものです。素材感や色、ネクタイの締め方、シャツの選び方。いくつもの選択をして、ひとつのスタイルができあがる。これが作法、というルールがあるわけではないけれど、かっこよく着るのは難しいもの。スーツの嗜みって、なかなか自然と身につけられるものではないんですよね。大学の入学式や成人式など、息子が成長して来るべきときが来たら、基本的な着方を教えようと思っています。あとは実際に手本となる人達を見て、「かっこいいな」と感じたところを自分のスタイルに落とし込んでいってほしい。そのために映画をたくさん観せてあげたい。映画はスーツの着こなしの手本の宝庫。トム・フォードが手がける最近の『007』のジェームス・ボンドの衣装とか、『セブン』でモーガン・フリーマンが演じた、ストイックな仕事に身を捧げた男のスーツの着こなしは本当にかっこいいんですよ。僕自身が映画で学んだように、息子も作品を楽しみながら、かっこいいスーツの着こなしを吸収してくれたら、と思っています。

 息子はいま3歳半。変なこだわりがあって、最近はボタンの付いている服はすべて拒否するんです。だからいつもスウェットトップスにスウェットパンツという出で立ち。そんな彼が、スーツを着るようになるとは到底想像できないんですけどね(笑)。

 

 

(上写真)中兼さんが特に着る頻度が高い『マッシモ・ピオンボ』のスーツ。柄はカジュアルだが、上品な光沢がありクラシカルな風格が漂う。

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